大谷翔平に“開幕ダッシュ”の予感あり 元G助っ人指摘の課題解決、270日ぶり逆方向弾

ロッキーズ戦に出場したエンゼルス・大谷翔平(中央)【写真:Getty Images】
ロッキーズ戦に出場したエンゼルス・大谷翔平(中央)【写真:Getty Images】

元巨人グラッデン氏「引っ張るだけの打者は問題を抱えてしまう」

■エンゼルス 8ー2 ロッキーズ(オープン戦・日本時間30日・スコッツデール)

 エンゼルスの大谷翔平投手は29日(日本時間30日)、敵地・ロッキーズとのオープン戦に「1番・指名打者」で先発出場し、5回の第3打席で3試合ぶりの2号2ランを放った。逆方向への一発は実に270日ぶり。順調な仕上がりはもちろん、“開幕ダッシュ”を予感させるアーチとなった。

 決して会心の当たりには見えなかった。それでも大谷の左翼方向へ舞い上がった打球は左翼フェンスを越えていった。5回無死二塁、右腕チャシーンの内角シンカーをバットに乗せて2号2ラン。スタンドからMVPコールも聞こえてくるアーチだった。

 久々の“らしい一発”だった。リーグ3位の46本塁打を放った昨季は右翼方向へのアーチが多く、左翼方向への一発は5本のみ。左翼への一撃はシーズン30号となった7月2日(同3日)の本拠地オリオールズ戦以来270日ぶりだった。

 昨季から“飛ばないボール”が導入。大谷は「引っ張った打球の方が飛ぶ」と右翼方向へアーチを飛ばしていた。だが、熾烈な本塁打王争いを演じた昨季後半戦に失速。元巨人で、ツインズで殿堂入りしたダン・グラッデン氏から「逆方向に打つパワーがある反面、右翼方向だけになってしまっている。引っ張るだけの打者になってしまうと、問題を抱えてしまう。それが彼が直面している問題だ。三振も多い」と指摘されていた。

 ここまでオープン戦8試合20打席で6四球。マドン監督は「ストライクゾーンは今しっかりと構築されている」と評価し、グラッデン氏から指摘されていた三振数も「3」にとどめている。昨季後半戦でアーチ量産とならなかったのはトラウトら強打者が離脱→四球増が大きいが、やはり左翼方向への一発は打者・大谷の状態を示すバロメーターの1つ。価値ある一発となったはずだ。

 4月7日(同8日)の本拠地・アストロズとの開幕戦まであと8日。短縮キャンプで“超速仕上げ”が求められる中で、打者として、きっちり合わせてきた印象だ。30日(同31日)は休養日で、次戦31日(同4月1日)の敵地ブルワーズ戦は投打同時出場が予定されている。投打万全へメジャー5年目を迎えたい。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY