新庄剛志と“サプライズ”の記憶… 現役選手にも受け継いでほしい「やるからには勝つ」

日本ハム・新庄剛志監督【写真:羽鳥慶太】
日本ハム・新庄剛志監督【写真:羽鳥慶太】

現役時代のビッグボスは、サプライズを必ず野球につなげていた

 新庄監督は開幕戦の試合前「イベントが終わって、(スタンドが)ガラガラになったらどうしようと思っているんだよね」と真顔で口にしていた。もちろん、そんなわけはない。グラウンドに立つ新庄は、ファンの記憶も掘り返した。新庄劇場と呼ばれた「サプライズ」を敢行する日は、必ず試合にも“波”が起こるのだ。

 今回は「史上初」を口にし続け期待を煽った。実際に巨大ドローンで“空を飛んで”のグラウンド入りも、スタメン全員がまずバックスクリーンに並び、そこからエレベーターでグラウンドに下ろす演出もファンの度肝を抜いた。でも真の出し物は、あくまでグラウンドでのベースボール。そう楽しみに待つ空気があった。

 新庄監督は現役時代、札幌ドームを満員にすると公言し、当時の収容人員だった「4万3000人プロジェクト」を主導、数々のサプライズを仕掛けた。札幌ドームで空中50メートルからゴンドラで“宙吊り”になり、外野手5人が揃って「ゴレンジャー」のマスクを被ってノックを受けた。数々の仕掛けが伝説になった理由の一つは、そのほとんどが勝利に結びついたからだ。

 なぜか。新庄監督はスタンドプレーともみられかねないサプライズ・パフォーマンスを、グラウンドで力に変える術を知っていたのだ。「そこまでやって、勝てなかったらバカみたい。自分にプレッシャーをかけている」と言い、その考え方はのちにサプライズと背番号の「後継者」となった森本稀哲外野手にも受け継がれた。

悔しいサプライズ後の敗戦…「これを乗り越えてどんどん成長してもらいたい」

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