オリ中嶋監督が“ビッグボス采配”を粉砕し3連勝 勝負の明暗を分けた8回の攻防

オリックス・中嶋聡監督(左)と日本ハム・新庄剛志監督【写真:荒川祐史】
オリックス・中嶋聡監督(左)と日本ハム・新庄剛志監督【写真:荒川祐史】

新庄監督は同点の8回1死二塁から紅林を申告敬遠し4番・吉田正で勝負も…

■オリックス 4ー2 日本ハム(3日・京セラドーム)

 オリックスは3日、京セラドームで行われた日本ハム戦を4-2で勝利し、3連勝を飾った。同点のまま迎えた試合終盤では、中嶋監督と新庄監督が見せた“駆け引き”があった。勝負の明暗を分けた8回の攻防を振り返ってみる。

 8回裏の攻防に全てが凝縮されていた。中嶋監督は先頭の佐野皓の場面で代打・福田を起用。これを見て新庄監督は北山に代え左腕・宮西を投入。ここで福田が左前打を放つと、すぐさま二盗に成功。1死から紅林のカウントが3-1となると、日本ハムベンチは申告敬遠を選択し4番・吉田正との勝負を選ぶ。その後、一走・紅林が二盗に成功。1死二、三塁から吉田正が中前へ2点適時打を放ち、試合は決まった。

 新庄監督は3番・紅林と途中まで勝負を選択しながら、カウントが悪くなり4番・吉田正と勝負。結果的にこれが裏目に出る形になってしまった。一方、中嶋監督はこの日、初スタメンで1号2ランを含む2安打をマークしていた佐野皓をスパっと代え、勝負の一手にスタメン落ちの福田を起用し、勝利に結びつけた。

 目の前で敬遠された吉田正は「ゲッツー狙いで(申告敬遠に)変えたんだと思うので。紅林が走ってくれたので楽になった」と冷静。何をやってくるか分からない“ビッグボス采配”にも「(敬遠で)崩されるとあっちのアレになるので。状況を判断して何とかしようと思っていた」と惑わされることはなかった。

 3月29日から始まったホーム開幕6連戦はまさかの3連敗スタートも、3連勝して五分に持ち直した。それでも指揮官は「その前に3タテやられてるんでね。1個ずつ返していくしかない。次も全員でやっていきます」と手綱を緩めることはない。“中嶋マジック”も冴え渡り、昨季の王者が徐々に調子を取り戻してきた。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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