好調後藤の敬遠も「考えた」 鷹・藤本監督が守護神に託した“勝負”の思惑
敬遠も「考えた」という後藤とソフトバンクベンチはなぜ勝負した?
試合後、藤本監督は今季ここまで好調の後藤を敬遠し歩かせることも「考えたけどね」という。後藤との勝負を避けて一塁を埋め、後続と勝負することも選択肢にはあった。ただ、導き出した結論は後藤との“勝負”だった。
後藤に続くのは代走で途中出場していた宜保。今季はまだ打席には立っていなかった。ただ、藤本監督は言う。「宜保のところにいっても、代打で太田かラベロが出てくるだろうから、後藤と勝負した方がいい。本人も気持ちが入っていた。太田とか出てこられたら嫌だなと。逆方向というのも考えた」。宜保を迎えても、間違いなくオリックスベンチは代打を送ってくるはず。それならば、後藤との勝負でいいと判断した。
森山コーチがマウンドに向かったのも“勝負”というベンチの意志を明確にバッテリー、選手たちに伝えるため。「僕の中では勝負だったし『思い切っていけ』と伝えた」。結果的には森が決勝打を許すことになったが、指揮官は「気にしていない。ここまでいいピッチングしていた。(今日も)悪いピッチングじゃない。打ったバッターを褒めるしかない」と、相手を称えていた。
開幕から続いていた連勝は8でストップしたが、藤本監督は「気にしていないですよ。9回の粘りは明日に繋がると思う。9回追いついてこういう試合は取りたいですよね。悔しいけど、明日から出直しという形で頑張っていくだけですね」とサバサバとしたものだった。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)