西武松本の2勝目生んだ辻監督の“親心” 「同点にされようが…」続投させたワケ

「球速アップ」テーマにしたトレーニングの成果発揮

「投手コーチから、リリーフの準備もできていると言われたけれど、松本はああいう“ひと山”を乗り越えないと、いつまでたってもダメなので。また弱気の虫が出ていると感じさせるところがあって、あそこで替えるのは簡単だけれど、たとえ同点にされようが、あの回までは松本に投げさせるつもりでした」と明かした。

 辻監督の“親心”に応え、松本は万波を外角高めのカットボールで三邪飛、続く淺間も内角のカーブで一邪飛に仕留め、同点を許さずにこの回を乗り切った。

 松本は2018年ドラフト1位で日体大から入団したが、辻監督は当初から、ピンチを背負うと慎重になり過ぎる傾向に、苦言を呈し続けてきた。昨季は初めて2桁勝利(10勝8敗)を挙げ、さらにオフには「球速アップ」をテーマにトレーニングに取り組んだ。その甲斐があって、この日は最速150キロを3球計測したのをはじめ、ストレートのほとんどが140キロ台後半。平均144.4キロだった昨季を明らかに上回っていた。

 今季の西武は年齢の近い高橋、今井、松本が“先発3本柱”として期待されている。蓋を開けてみれば、開幕投手を務めた高橋はここまで0勝2敗。今井は、右内転筋の張りで開幕ローテから外れて2軍調整中だけに、松本に寄せられる期待はなおさら高まっている。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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