佐々木朗希「伝説の105球」 異次元の完全試合を紐解く数々のデータとは?

例えど真ん中であっても捉えられない、まさに抜群の球威

 投球数が少なかった理由の一端は、投球コースにも表れている。全105球のうち、ストライクゾーンに投じられた球の割合がちょうど60%。試合を通じて積極的にゾーン内で勝負していたことが、この数字にも示されている。さらにストライクゾーンに投じた66球のうち、およそ4割を占める26球が低めに制球されていた点も特筆に値するだろう。

 ど真ん中に行ってしまった11球に関しても、ファウルが7球、見逃しが3球、空振りが1球という内訳。甘いコースに行った球であっても捉えられた当たりは1つもないという事実が、佐々木朗の並外れた球威を物語っている。

 次に佐々木朗投手が三振を奪ったコースを確認していく。19奪三振のうち、低めのボールで記録したものが16個。その中でも、低めのボールゾーンで奪った10個の三振は全てフォークと、狙い通りの配球で空振りを奪っていたことが読み取れる。また4つの見逃し三振のうち2つは、左打者の膝元に完璧に決まって記録。三振を奪いに行ってきっちりと投げ切れる精度の高さは、まさに圧巻だった。

 続いて球種の割合を見ていきたい。最速164キロの直球が約6割と、快速球を主体に投球を組み立てていた。変化球の中ではフォークの割合が全体のおよそ3分の1となり、カーブとスライダーの割合はかなり少なくなっていた。

“三振しない”吉田正封じに有効だったカーブ

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