中日に“本塁打5倍増”のうれしい異変 補強ゼロなのに…立浪監督の戦略が早速ズバリ

中日・立浪和義監督【写真:小西亮】
中日・立浪和義監督【写真:小西亮】

昨季は開幕から17試合でわずか3本塁打も…オフは目立った補強せず

 昨季12球団ワーストの69本塁打だった中日に、うれしい“異変”が起きている。今季ここまで17試合を終え10勝7敗で3位につけているのはもちろん、すでにリーグ3位の14本塁打も放っている。オフには目立った補強せず不安の声もあった中、期待の若手たちが存在感を発揮。早くも立浪和義監督の“采配の妙”が出ている。

 もう「一発欠乏症」とは呼ばせない。まだシーズンの8分の1を消化した程度だが、要所でアーチが飛び出している。リーグでは巨人が22本塁打とダントツだが、ヤクルトの19本塁打に次ぐ3位。広島は4本塁打ながら現在首位と“一発が出ているから勝っている”というわけではないが、貧打が課題だった中日にとっては大きな「14」だ。

 昨季は同じ17試合を終えた時点でわずか3本塁打。それに比べると実に約5倍にものぼる。シーズン換算すると、約118本ペース。50本近く増える計算になる。4月7日のヤクルト戦(神宮)で一挙4発を放つなど、複数本塁打が出た試合はすでに3試合ある。

 大砲候補の助っ人ら大きな戦力補強をせずに臨んだ2022年。新任の立浪監督は現有戦力の底上げに活路を見出した。キャンプ、オープン戦と期待の若手を我慢強く起用。その結果、3年目のドラフト1位・石川昂とドラフト2位ルーキー鵜飼がともに2本塁打をマークしている。

 指揮官の方針は、本塁打だけでなく打線全体にも好影響をもたらしている。開幕前に二塁の高橋周が離脱し、外野で考えていた阿部を二塁に戻す事態に。外野の1枠が空く懸念もあったが、根尾を始め“打てる選手は外野へ”大号令のもと打棒に磨きをかけてきた選手たちが躍動。直近4試合では、捕手登録のA・マルティネスが左翼として出場。打率.316と頼もしい。

 若手にはチャンスを与え、ポジションの兼ね合いで出場機会を得られていなかった選手には強みを生かさせる。助っ人を連れて来なくても“打てるようになったドラゴンズ”は、今後もアーチを放ち続けるのか注目だ。

【14本塁打の内訳】期待の若手が躍動、意外な選手も量産? 本塁打を放っている選手たち

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