初勝利をあげた“獅子の由伸” 辻監督をも“おちょくる”驚きの度胸とポジティブ思考

西武・水上由伸【写真:荒川祐史】
西武・水上由伸【写真:荒川祐史】

お立ち台で実家の両親に向けて「勝ったよ~!」

■西武 3ー0 ロッテ(20日・ベルーナドーム)

 西武の水上由伸投手が20日、本拠地ベルーナドームで行われたロッテ戦でプロ初勝利を挙げた。育成ドラフト5位で入団し、1年目の昨年5月に支配下登録を勝ち取ると、1軍デビューから17試合連続無失点のパ・リーグ新記録を樹立。この日は0-0で迎えた7回、2死ニ、三塁のピンチで登板すると、わずか2球で相手打者を打ち取り、その裏に味方打線が決勝点を奪った。試合は3-0で決着した。

「勝ったよ~!」。試合後、初めてのお立ち台に上がった水上は、ウイニングボールを掲げながら、人口8878人(今月1日現在)の長野県宮田(みやだ)村の実家に住む両親へ呼びかけた。

 先発の松本航投手が、6回まで無安打3四球無失点の快投。ただ、味方打線もロッテ先発の美馬に無安打2四球1死球無失点に抑えられ、6回終了時点で“両軍ノーノー”の投手戦となった。7回の守備で、松本が1死走者なしから菅野に右前打を許し、四球と暴投などで2死ニ、三塁と追い込まれると、辻発彦監督は思い切って水上へのスイッチを決断した。

 水上は代打・山口に対し、まず初球の外角低めのスライダーを空振りさせると、2球目の146キロのシュートで詰まらせ、投ゴロに仕留めた。「三振を狙うと力んで甘くなるので、思い切り詰まらせてやろうと思っていました」としてやったり。その裏、呉念庭の勝ち越し適時二塁打が飛び出し、水上に初勝利が舞い込んで「航さん、すみません。いただきました!」と頭を下げた。

「スマホを落として割ってしまった時も、これで新しい機種を買うことができる、と」

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