“神のお告げ”で退団した元阪神助っ人の今 実業界で成功、次の舞台は「プロ釣り師」

「私のような選手も殿堂入りのチャンスをもらっていい」

 さらに「通算で400~500本塁打を打っていて、すばらしいキャリアを送った選手だとしたら、(ステロイドを使っていた時期があったとしても)殿堂入りするべきだと思う。だが、私のような選手も殿堂入りのチャンスをもらっていいと思うんだ。だって、数字は(ステロイドを使っていた選手たちには)劣るが、10年前だったら殿堂入りできる程度の数字ではあったからね。MLBにはその点の改善を期待するよ」とも口にした。

「(ステロイド時代は)MLBが面白かったし、わくわく感に満ちていた。(ステロイドを使った)選手たちを恨んだりはしない。どうして使ったか理解できるし、歴史は変えられないから彼らが残したものについては表彰されるべきだが、私もMVPトロフィーがほしいよ」

 引退後の生活について、グリーンウェル氏は選手から実業家への転身は「大変ではなかった」という。引退前からコロナ禍の前まで、遊園地を28年間経営していたこともあり「仕事が大好き、仕事中毒っぽいところがあるからね。フロリダに遊園地もすでに建設していたから、引退後すぐにその事業を当てにすることができた」。野球を離れてすぐ、フロリダ州でカーレースへの出場も始めた。2000年には「Late Model National Championship」で優勝。9夜連続でレースをするシリーズのうち5戦を制した。2006年には「ずっとファンだった」というNASCAR(米国ストックカーレースシリーズ)で2つのレースに出場。レーサーとしての活動を通じて「アドレナリンの流れを維持することができた」という。

 現役時代から今まで、あらゆる分野で成功を収めてきたグリーンウェル氏はその秘訣として「やる気や意欲。私はやる気に満ちている。家でじっとしていられない。週に7日間働くタイプだ。成功するにはやる気が必要。そして努力すればするほど成功する」と断言している。それはメジャーリーガーを目指した子どもの頃から続いているという。

「子どものころからやる気に満ち、いつだって成功したいという気持ちがあった。『いつMLB選手になれると思ったか?』と聞かれることがあるが、8歳の時だと答えるね。笑われるが、嘘じゃないんだ。本当に8歳のときからMLB選手になれると信じていた。成功へのカギは、自分を信じること」

 成功へと上り詰めたグリーンウェル氏にとって、唯一の失敗が阪神時代だったのかもしれない。

(Full-Count編集部)

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