開幕ダッシュ失敗で「Aクラス確率30%以下」 過去10シーズンでみる“逆襲の条件”

ロッテ・佐々木朗希【写真:荒川祐史】
ロッテ・佐々木朗希【写真:荒川祐史】

昨季のオリックスに13年の楽天…開幕ダッシュ失敗→逆転優勝の可能性も?

 プロ野球のペナントレースは1/6ほどが経過。「開幕ダッシュ」がシーズン順位に与える影響が大きい反面、下位スタートでも諦めるにはまだ早い。開幕ダッシュに失敗したチームが、逆転する可能性を検証。開幕が延期された2011年と2020年を除いた「2010~21年までの計10シーズン(以下、過去10シーズン)」の記録をもとに計算した。

 逆転優勝の可能性を探る上で、まず記憶に新しいのは2021年のオリックスだ。昨季、開幕から波に乗り切れず4月終了時は5位。エースの山本由伸投手も開幕戦で黒星を喫すると、4月終了時は3勝2敗、5月に入ってからも3連敗と苦しんだ。しかしシーズン中盤から巻き返し、徐々に順位を上げる。山本も破竹の勢いで勝ち星を積み重ね、25年ぶりのリーグ優勝を果たした。

 また、2013年にリーグ優勝、そして日本一を獲った楽天も4月終了時は5位。つまり、現在下位のチームにも十分逆転の可能性はあるのだ。一方で両チームに共通していたのは山本や田中将大投手のような「負けないエース」の存在。現在5位のロッテは佐々木朗希投手の大活躍、そして防御率リーグトップのエンニー・ロメロ投手、エース・石川歩投手など「負けないエース」候補が名を連ねる。ここからの巻き返しで2005年以来のリーグ優勝なるか。

 しかし、苦しい戦いが待っていることは間違いない。4月終了時に4位の球団でAクラス入りしたのは3割。5位、6位においては2割以下と、ここからは大型連勝のような“起爆剤”が必要なことは言うまでもないだろう。

 過去10シーズンで唯一、「6位」から「2位」でAクラス入りした2012年の西武は、前半戦をBクラスで終えながらも、8月に6連勝を飾るなど終盤で急加速している。その点では現在6位の日本ハムも、新庄BIGBOSSがマジックを起こしそうだ。あくまでデータは“傾向”に過ぎないため、今年は跳ね返す可能性もある。これからのパ・リーグが巻き起こす熱き戦いに注目だ。

(「パ・リーグ インサイト」小野寺穂高)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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