佐々木朗希が驚異の数値、楽天・西川は長打力も発揮 セイバー指標で選ぶパ月間MVP

佐々木朗希はあらゆる指標で出色の数値、山本由伸も昨年に匹敵する成績

【投手部門】
 投手評価には、平均的な投手に比べてどれだけ失点を防いだかを示す「RSAA」を用いる。ここでのRSAAは「tRA」ベースで算出。tRAとは、被本塁打、与四死球、奪三振に加え、投手が打たれたゴロ、ライナー、内野フライ、外野フライの本数も集計しており、チームの守備能力と切り離した投手個人の失点率を推定する指標となっている。

RSAA=(リーグ平均tRA-選手個人のtRA)×投球回数/9

tRA={(0.297×四球+0.327×死球-0.108×奪三振+1.401×被本塁打+0.036×ゴロ-0.124×内野フライ+0.132×外野フライ+0.289×ライナー)/(奪三振+0.745×ゴロ+0.304×ライナー+0.994×内野フライ+0.675×外野フライ)×27}+定数

各チームのRSAA上位2人は以下の通り。

楽天:松井裕樹4.18、田中将大3.52
ソフトバンク:千賀滉大4.42、又吉克樹3.93
オリックス:山本由伸8.19、ビドル2.39
西武:平良海馬4.25、松本航2.95
ロッテ:佐々木朗希13.45、石川歩6.12
日本ハム:加藤貴之6.96、伊藤大海2.74

 NPB公式でも最有力候補、セイバーメトリクス目線でも断トツの評価となったのはやはり佐々木朗希。4月10日のオリックス戦で完全試合、翌登板17日の日本ハム戦でも8イニング完全を達成するなど抜群の投球を披露した。完全試合を達成した10日は、3ボールになったのが7回の後藤駿太の打席1回のみ。制球が安定していた。

 ロッテの先発投手陣は佐々木朗のほか、石川、エンニー・ロメロが防御率0点台を記録するほどの安定感だった。

○佐々木朗希
登板5、36回、防御率1.50、QS率80%、被本塁打0
奪三振率15.0、K/BB12.0、被打率.112、被OPS.325、WHIP0.50

○石川歩
登板6、41回1/3、防御率0.87、QS率83%、被本塁打0
奪三振率4.35、K/BB10.0、被打率.230、被OPS.504、WHIP0.87

○ロメロ
登板4、26回1/3、防御率0.34、QS率100%、被本塁打0
奪三振率3.76、K/BB2.2、被打率.151、被OPS.361、WHIP0.34

 佐々木朗は月間で60奪三振を記録。これは鈴木啓示(近鉄)が1971年に記録した月間61奪三振に次ぐ記録。打席数に対する奪三振の割合を示すK%は48.4%で、これは救援投手の松井裕樹(楽天)やモイネロ(ソフトバンク)、平良海馬(西武)以上の奪三振率である。四球率も4%で、3.5を越えれば優秀とされるK/BBが12.0と驚異の数値となっている。

 昨年、4回連続でNPBの月間MVPを獲得しているオリックス・山本由伸投手も、この3、4月はそれに匹敵する数値を残した。

○山本由伸
登板5、37回、防御率1.22、QS率100%、被本塁打1
奪三振率10.46、K/BB4.78、被打率.216、被OPS.545、WHIP1.03

 3、4月に関しては佐々木朗希が他の投手を圧倒する内容の投球だったということで、セイバーメトリクス目線で選ぶ3、4月の月間MVPに推挙する。

長打力も発揮した楽天・西川、14試合欠場も好成績の西武・山川

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