佐々木朗希はなぜ好投できるのか? ダル、田中将大らの“育ての親”が語るポイント

バッターによってはカウントを取るボールなども考えていってもいい

 スピードボールに目が行きがちだが、フォームの安定性が何よりも障害防止の指標になるのは確か。

「大谷は上半身が強いせいか腕力に頼って投げている印象があるけど、佐々木を見るとフォーム的には身体を使って投げている。この間(4月24日)のオリックス戦はマウンドが合わなかったと言っているように重心がバラバラだった。良いときのフォームを見れば重心も一定して低いし、それなりの理に適った投げ方をしている。これからもっと身体ができてくるからコンスタントにスピードが出る。フォークに頼ってばかりいると肘に負担がかかるから、バッターによってはカウントを取るボールなども考えていってもいいかな」

 まず、フォームが安定してこそコントロールがつき、常時150キロ超えるスピードボールも投げられる。科学トレーニングで怪我をしにくい身体づくりはもちろん必須である。あとは、正しいフォームで投げて正しい回転のボールがまっすぐ投げられているかをキャッチボールで入念に確かめる作業こそが、実はピッチャー人生の明暗を分けていくのだ。

「キャッチボールを疎かにするピッチャーは一流になれない」

 佐藤は、いつにも増して力強く断言した。

(松永多佳倫/Takarin Matsunaga)

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