鷹・周東佑京が1軍復帰へ前進 帰塁動作を解禁、怪我で模索する新走塁スタイル

ソフトバンク・周東佑京【写真:上杉あずさ】
ソフトバンク・周東佑京【写真:上杉あずさ】

小久保2軍監督も釘を刺す「とりあえずリードをいっぱい取らず」

 右肩の手術から復帰を目指しているソフトバンクの周東佑京内野手が、1軍復帰への段階をまた1段階上げた。11日にタマスタ筑後で行われたウエスタン・リーグの広島戦に「1番・三塁」でフル出場。1軍復帰へ最後の関門と位置付けられていた“帰塁”の動きも解禁。バットでも3打数2安打1四球と結果を残し、武器である走塁面でも存在感を示した。

 初回の第1打席で中越えの二塁打を放つと、続くガルビスの中堅への浅い飛球で、自慢の脚力を生かして三塁へとタッチアップ。真砂の犠飛で先制のホームを踏んだ。第2打席は四球で出塁。続くガルビスの打席で牽制球を受け、ここで復帰後では初めてとなる帰塁の動きを見せた。第3打席は三振に倒れたが、第4打席では逆方向への安打も放った。

 完全復帰には帰塁が最終段階とされ、これが復帰後初めての帰塁動作だった。調整の段階を上げた周東は試合後に「今までぐらいのリードの大きさじゃないですけど、ちょっと小さめ(のリード)でできるかってところでやってみました。ちょっとずつですね。まだ初日ですし、無理に一気に広げるわけにもいかないですし、徐々に広げていって、怪我しない程度にできたらいいかなと思います」と振り返っていた。

 いきなりリードを大きくとらないように釘を刺していたという小久保裕紀2軍監督は「とりあえずリードをいっぱい取らず、逆をつかれても、いっぱいいっぱいにならないぐらいのセーフティーリードでというところから始めて。それでスタートを切ってみて、ファームでの成功率がどうなのか。去年一緒にやってきた中で見ると、あそこまでリードが大きいと、関節が完全に伸び切る状態での帰塁しかできていなかった。多分その状態でタッチされたはずなので」と、怪我の原因となった場面を分析した上での指示でもあった。

 怪我を予防しながらも、周東の持ち味を発揮できる新しい走塁スタイルを提案した小久保2軍監督。今までよりも小さいリードでも「走れるという自信をつかめる場所にしてくれという話はしました」と語る。周東は「今日のリードはちょっと小さすぎて逆にやりにくかったんで、もうちょっとだけ広げてやってみようかなと思います。リードの幅、タイミングなど、自分の感覚を確認していきたい。次の段階に進めたのかなと思います」と明るい表情だった。

 打撃でも2安打。リハビリ中に体重を増やしたことで、打球の飛距離も伸びた。「振らないようにしています。体重増えて打球自体は飛ぶようになったんですけど、飛ばすバッターじゃないんで。そこを飛ばしに行こうと欲が出ちゃう部分もあったんで、振らないように」と周東。思い切り振らずして、第1打席では中堅の頭上を越える二塁打を放った。周東自身もその飛距離に驚きつつ「嬉しいです」と手応えも。鷹のスピードスターの1軍復帰がまた一歩近づいてきた。

(上杉あずさ / Azusa Uesugi)

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