数字にも表れるパ・リーグの“異変” 過去にもあった極端な「投高打低」の傾向

楽天・田中将大【写真:荒川祐史】
楽天・田中将大【写真:荒川祐史】

2011年と2012年は防御率トップ10に入った投手の多くが10勝以上をマーク

 個人成績としては、田中将大投手、武田勝投手、摂津正投手の3人が、2011年と2012年の2年続けて防御率トップ10入り。特に田中は2011年が1位、2012年が2位と、圧巻の成績を記録していた。

 田中は2013年に24勝0敗1セーブという驚異的な成績を残したことでも知られるが、同年の防御率は1.27と、2011年と同じ水準だった。しかし、防御率1点台の投手が4人存在した2011年とは異なり、投高打低の傾向が終わった2013年における「防御率1.27」は異次元の数字。そうした環境の違いが、シーズンごとの勝利数に反映されているのも興味深い点といえる。

 リーグ全体の打撃成績が低下していたということは、裏を返せば、どの投手も打線の援護がさほど期待できなかったということにもなる。だが、防御率トップ10に入った投手のうち、2011年は8人、2012年は9人が10勝以上を記録していた。

 また、負け越しを作った投手も2011年は1人、2012年は2人だけ。優秀な防御率を残しさえすれば、最終的に勝ち越しを作る投手が多かったのも特徴だ。2022年も好投を続けていながら勝ち星が伸び悩んでいる投手の数は少なくないが、2011年からの2年間と同様の傾向が表れるのであれば、そうした投手たちもシーズンが終わってみれば、2桁勝利や勝ち越しに手が届いている可能性は十分にありそうだ。

2012年の角中勝也はリーグ史上2番目に低い打率で首位打者を獲得

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