沖縄決戦を動かした鷹の初回攻撃 先制パンチに導いた2番・今宮の“野球脳”

2番・今宮の初球のバントの構えは「自分で勝手にやっただけ」

 左腕の立ち上がりを攻略したソフトバンク打線。ここで光ったのが、エンドランを決めた今宮の“頭の良さ”だ。試合後、藤本監督はこう明かす。「初球はバント(のサイン)は出してないよ。自分で勝手にやっただけ」。今宮自身の判断でバントの構えを見せて、西武バッテリーに揺さぶりをかけにいった。

 前日好投していた東浜ですら「最初は戸惑った」という慣れないセルラースタジアムのマウンド。新人左腕なら、投手が抱える立ち上がりの不安も大きいはず。しかも、先頭の三森に安打を浴びている。落ち着かせる状況を与えず、仕掛けていったのだろう。間髪入れず、ベンチも動く。2球目に今度はサインでヒットエンドランを仕掛けて、今宮がこれに応えてチャンスを広げたのだった。

 ソフトバンクは2回以降、何度もチャンスを作りながら、隅田の前になかなか得点を奪えなかった。それを考えれば、この初回で奪った得点の意味は大きい。光った今宮の“判断”。この日の勝利は、名手・今宮の隠れた好判断が勝利への道筋を開いていた。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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