3冠王も夢ではないDeNA牧の献身 “走攻守”全てで貢献する4番打者の矜持

DeNA・牧秀悟【写真:荒川祐史】
DeNA・牧秀悟【写真:荒川祐史】

「4番を任されている以上、打点にこだわる」

■DeNA 3ー1 ヤクルト(20日・横浜)

 ペナントレースは約4分の1を消化したところだが、2004年の松中信彦氏(ダイエー=現ソフトバンク)以来の3冠王も決して夢ではない。DeNAの牧秀悟内野手だ。20日現在で打率.336はリーグトップに4厘差の2位、10本塁打は2本差の3位、31打点も4差の2位につけている。原動力は、プロ2年目にして4番を任されていることへの責任感だ。

 走攻守にわたって貢献度が高い。20日に本拠地・横浜スタジアムで行われたヤクルト戦。3-1とリードして迎えた9回の守備では、先頭打者の村上が放った一、二塁間の痛烈な打球をダイビングキャッチ。素早く送球して刺し、ガッツポーズを繰り出した。

「その前に初球を打ってゲッツーだったので、ああいうプレーができてよかったです」とうなずく。直前の8回1死一、三塁の打席でヤクルト2番手・大西の初球のシュートに詰まらされ遊ゴロ併殺打。追加点のチャンスを逸して責任を感じ、守備で挽回を狙っていたわけだ。

 とはいえ、打撃でも既に貴重な仕事を果たしていた。1回の攻撃で3番・ソトの先制二塁打に続き、ヤクルト先発・高梨から右翼線へ適時二塁打を放った。さらに2死後、6番・大和への投球がワンバウンドとなり、捕手の中村が行方を見失ったのに反応し、二塁から三塁を回り、一気にホームを駆け抜けた。三浦大輔監督が「常に先の塁を狙っているからこそできること。いい判断だったと思います」と称賛したプレーだった。

 今季開幕前、就任2年目の三浦監督から4番に指名され、意気に感じている。3部門の中では「4番を任されている以上、打点にこだわっている」と強調する。出塁率.426、長打率.681、得点圏打率.469、チームの得点への貢献度を示す指標とされるOPS(出塁率+長打率)1.108は、いずれもリーグトップ。シーズンが終わる頃、どんな数字を残しているだろうか。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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