1回5失点の投手に「申し訳ないことをした」 DeNA三浦監督が“謝罪”した深いワケ

1試合平均4.51人の継投はリーグ最多、リリーフ陣に負担

 今季のDeNAは、先発投手が早い回でマウンドを降りるケースが多い。さらにセットアッパーの三嶋が右肩の張りで今月8日から戦列を離れている状況でも、リリーフ陣の小刻みな継投で勝機を見出すのが基本的なスタイルだ。今季39試合を消化し、のべ176人の投手が登板。1試合平均4.51人は21日現在、リーグ最多である。2位のヤクルトは4.26人、最少の広島は3.67人となっている。

 となると、実際に登板するかどうかに関わらず、基本的に毎日ブルペンで肩をつくるリリーフ陣の負担は非常に大きい。前日の同カードでも、先発の大貫が5回限りで降板した後、平田、田中健、伊勢、エスコバー、守護神の山崎とつなぎ勝利をもぎ取った。そして一夜明けたこの日、5投手のうち平田だけが連投となった。翌日も試合が控えていることから、9回に平田が打たれて点差を決定的に離された後も、他の投手を登板させて余計な疲労を重ねさせるわけにはいかなかったというわけだ。

 これまで無類の勝負強さを発揮してきた4番の牧秀悟内野手もしかり。この日は5回2死二塁で見逃し三振、7回2死一塁でも空振り三振に倒れ得点機を生かせなかったが、三浦監督は「人間ですから、こういう日もある」と責めず、「平田もそうだけど、牧には今までどれだけ助けられたことか」と話した。

 故障者や新型コロナウイルス陽性者が続出し、現在5位に低迷しているDeNAだが、明るい兆しも見えている。この日は背中の張りを訴えていた主将の佐野恵太外野手が1軍に復帰し、即フル出場した。来週から始まるセ・パ交流戦で、昨季は球団史上最高タイの3位となっている。上位進出のため、今は冷静に力を蓄えているところだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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