「ポンポン放り込んでくる」 苦闘のDeNA助っ人右腕、見極められた投球パターン

DeNAのフェルナンド・ロメロ【写真:荒川祐史】
DeNAのフェルナンド・ロメロ【写真:荒川祐史】

三浦監督「ストライクゾーンを広く使えていなかった」

■ソフトバンク 8ー2 DeNA(交流戦・25日・横浜)

 DeNAは25日、本拠地・横浜スタジアムで行われたソフトバンク戦で2-8の大敗。先発のフェルナンド・ロメロ投手が5回途中7失点(自責点4)で4敗目(3勝)を喫した。来日1年目の昨季は後半だけで5勝を挙げ、シーズン防御率3.01の安定感を誇った。しかし、今季は開幕から先発ローテを守っているものの、登板9試合中7試合で4失点以上を喫し、防御率も5.56に跳ね上がっている。

「自分のイメージした結果と違い、悔しいです。練習あるのみです」とロメロ。三浦大輔監督は「ストライクとボールがはっきりしていて、ストライクゾーンを広く使えていなかった。それに、味方が同点に追いついた直後に点を取られリズムをつくれなかった」と敗因を分析した。

 初回、いきなり1番打者の三森に初球のカットボールをとらえられ、右翼線二塁打を浴びる。続く川瀬に送りバントを決められ三塁進塁を許した後、柳田には外角高めに浮いたチェンジアップを左翼へ運ばれ、先制犠飛となった。味方打線は3回に柴田の適時二塁打で同点に追いついたが、ロメロは直後の4回、2死二塁から牧原大に真ん中のツーシームを左翼線へ運ばれ再びリードを許した。5回には3安打1死球に味方のエラーが絡み、一挙6失点のビッグイニングのきっかけをつくりマウンドを去った。

 ロメロの武器は、150キロ前後の球速で微妙に変化するツーシーム、カットボール。これにチェンジアップ、スライダーなども交え相手を幻惑する投球が持ち味だ。しかし、試合前にソフトバンク・長谷川打撃コーチが「(ロメロは)ボールが動くけれど、きっちきっちのコントロールは無い。ストライクゾーン内へポンポン放り込んでくるので、そこらへんの球に対してしっかりスイングできれば」と話していたように、初対戦の相手にも研究され尽くされていた感がある。実際、甘いコースの球を確実に打たれた。

 登板中に2つ、降板後にも1つ、味方にエラーが出て足を引っ張られる不運もあった。しかし三浦監督は「そこで粘り切れなかった」と評し、「初球にいいコースでカウントを稼げたのに、2球目が甘くなったところもあった。本当は逆でなければいけない」とやはり制球面の課題を指摘した。

 自慢の打線も、宮崎が左太もも裏の張りを訴え、5回の守備から退いた。三浦監督は「治療中」とだけ話し、故障者が戻りつつある打線に再び暗雲が垂れ込めた格好だ。となれば、ロメロら先発投手陣の奮起がなおさら求められる。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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