佐々木朗希に見えた大投手の素質 名伯楽が語るダル、田中将との”共通点”

パドレス・ダルビッシュ有、ロッテ・佐々木朗希、楽天・田中将大(左から)【写真:ロイター、荒川祐史】
パドレス・ダルビッシュ有、ロッテ・佐々木朗希、楽天・田中将大(左から)【写真:ロイター、荒川祐史】

踏み出す足の位置も一定が好ましいが「常に一定は難しい」

 パドレスのダルビッシュ有、楽天の田中将大は今季も先発ローテの軸として活躍。2人は長きに渡って日本を代表する投手として君臨している。この“両巨頭”を育てたのが阪急、オリックスで通算165勝を挙げた佐藤義則氏だ。オリックス、日本ハム、阪神、楽天、ソフトバンクで投手コーチを歴任した名伯楽は、今季圧倒的な投球を見せているロッテの佐々木朗希投手をどう見ているのか。ダルビッシュや田中将との比較を交えながら解説してもらった。

 佐藤氏は、コーチによって「見る個所は様々」という注釈を付け、右投手の場合は「左膝を見る」と強調した。投げる時に、目標に対して左足(右投手の場合、左投手は右足)を真っすぐ踏み出すことが基本であり、下半身が弱いと身体を上手く支えられずに膝が割れてボールに力が伝わらないという。その結果スピンが利かなくなり、低めのボールがお辞儀することが多くなる。

 佐々木朗は左のつま先がホームに対してほぼ真っすぐ着地。先端がやや内側に入るため左膝が割れることはないと指摘する。ダルビッシュも日本ハム入団時から問題はなかったそうだが、田中将は割れていたそうだ。そこで、佐藤氏が楽天のコーチに就任した2008年秋、矯正に着手した。

 次に注目するのが踏み出す足(右投手なら左足)の位置。ダルビッシュでさえ若い頃はバラバラで、1球投げるごとに踏み出した位置の土をならしていた。当時は真ん中を狙って投げてファウルでカウントを稼ぎ、追い込んでからコースを狙う投球だった。佐々木朗は調子が良い時はぶれないが、まだ一定ではないという。「一流投手でもすべての試合で踏み出す位置が常に一定というわけではない。調子が良い時でも1か月続くかどうか」と佐藤氏。調子が悪い時は体のバランスが狂っているため、バラバラになるのは仕方ないと語る。

 勝てる投手になるにはいかに早くコンディションを戻していい状態にするかで、毎日同じ練習を繰り返しても難しい。「違うアプローチで日によって変えていかないと、調子はなかなか上がってこない。自分の身体と相談しながら日々創意工夫して練習するのがプロフェッシナルの基本でもある」と力を込める。

 佐藤氏によれば、ダルビッシュ、田中将、佐々木朗は三者三様。ボーイズ時代から鳴らしたダルビッシュを“先天性の投手”と称し、駒大苫小牧高1年時に捕手もこなした田中将は“後天性の投手”と形容する。プロ入り後、精進を重ねた田中将はダルビッシュに勝るとも劣らないコントロールを身に付けた。佐々木朗が今後どんな投手に成長していくか、佐藤氏も熱い視線を送っている。

(松永多佳倫/Takarin Matsunaga)

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