清宮幸太郎は「スイングが変わった」 育てながら戦う“新庄采配”を専門家も高評価

清宮は「ボールとの距離が取れるようになり飛距離が伸びた」

 起用する以上は、厳しく自覚を促している。清宮が重盗でスタートが遅れた際、ビッグボスは報道陣を通じて苦言を呈した。万波はタイムリーエラーを犯した次の試合で先発メンバーから外された。野村は死球を受け鼻骨骨折した翌日にもスタメン出場する執念を見せた。

 特に清宮は昨季初めて1軍出場なしに終わっていたが、今季は既に6本塁打。中尾氏は「スイングが変わりました。バットのヘッドがトップの位置に来た時、昨季までは縮こまるような形になっていましたが、構えが大きくなりました。これによってボールに対して距離を取れるようになり飛距離が伸びました」と変貌を感じ取っている。

 4年目の吉田輝星投手は、昨季まで1軍で登板した通算10試合の全てが先発だったが、今季先発は1試合で、残る19試合はリリーフ。伸びのある速球という持ち味を存分に生かしている。中尾氏は岩手・専大北上高の監督を務めていた2018年、春季東北大会で吉田を擁する秋田・金足農高と対戦し、1-4で敗れている。

「当時から素晴らしい球質の球を投げていましたが、175センチと上背がないこともあって角度がつきにくかった。プロで長いイニングを投げれば、打者にとっては目が慣れやすい。短いイニングのリリーフの方が向いているのではないかと見ていました」。

 リリーフで結果を積み重ねた吉田は、5日の阪神戦(甲子園)で本人が希望する先発のチャンスをもらった。

 交流戦突入後も、今季から二刀流に挑戦している上原健太投手をセ・リーグの本拠地球場で2度、先発で起用。5月25日のヤクルト戦では打者として二塁打を放ち、6月1日の広島戦では投手として2年ぶりの勝利を挙げた。あの手この手で選手の潜在能力を引き出すビッグボス采配を、中尾氏も注目して見つめている。

(Full-Count編集部)

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