江川卓、佐々木朗希は「もっと怖くなる」 完全投球の中に見た“あと2割”の伸びしろ

ロッテ・佐々木朗希【写真:荒川祐史】
ロッテ・佐々木朗希【写真:荒川祐史】

江川氏が好きだった捕手のタイプは? 登板前は“貝”になる?

――ロッテの高卒新人・松川虎生捕手にも注目が集まっています。

「年下の捕手なので、投げやすかったと思います。自分より上の人だとやっぱり多少気を使いますから」

――江川さんはどちらかというと年上、年下の捕手はどちらが良かったのでしょうか?

「僕は同級生が一番です」

――年下だとサインに首を振るのが申し訳ないという気持ちが生まれるのでしょうか?

「そうですね。できるだけ首を振らないようにはしたいんですが、そうすると合わないことが起きて、それで打たれてしまうのですよ。打たれてしまうのはかわいそう。自分が悪いのですけど……。そういう感覚になるので、僕は同級生が一番好きでした」

――若い捕手と組んで打たれてしまった時はベンチに戻った後、ケアをしてあげたりしていたのでしょうか?

「僕は試合中、そういうケアを捕手にしなかったです。ゲームが終わってから、話すことはあります。今の選手たちはゲームの中で話をすることが結構ありますけど、僕はNGなので。(登板日は)朝からずっと誰とも話をしません。だから今日が先発と周りは分かってしまうんですけどね(笑)」

――チームメートやスコアラーさんとも話はされないんですか?

「向こうが報告をしてくれるだけで耳を傾けています。試合に集中したいので、会話をするのが好きではないんです。自分で(気持ちを)作ってきているので」

――もしも、江川さんが監督で、相手チームの先発が佐々木朗希投手だったら……。どのような指示で佐々木投手を攻略しますか?

「うーん……攻略ですか。自分のチームの打者がどういう選手かわからないので、お答えするのが難しいです。打者の性格は一緒に生活をしたり、遠征をしたり、食事をしたりとかでわかるんですね。それがわかっていないと指示が出せないです。だから、仮想でやろうとしてもちょっと難しいですね」

――そうですね。失礼しました。それでは、質問を変えます。佐々木朗希投手を攻略する術は江川さんの中でありますか?

「基本的にはストレートに狙いを定め、真ん中付近にある程度、張っていくしかないんですよ。フォークボールを頭から消してくれっていうことですかね。9回までの打席で全球がフォークボールだったら仕方がないです。ストレートを打っていってくれという風になると思います」

――この先、佐々木朗希投手はどうなっていくのでしょうか?

「やっぱり、コントロール(が鍵となるポイント)ですね。できれば、速いストレートがコントロールされるようになるともう少し(打者が)怖くなります。カーブもコントロールできるとまた次の段階にいくので、そういうふうに(制球を極める投手を)目指してほしいなと思います。ただ、これは結構、難しいんですよね。きついんです。コントロールを身につけるのは相当な時間がかかる。ただ、ストレートのコントロールがついたらもっと怖くなるっていうかそうなるとは思います」

○江川卓(えがわ・すぐる) 1955年5月25日生まれ、福島県出身。作新学院高(栃木)時代にノーヒット・ノーラン12回、イニング連続145回無失点など数々の記録を達成し、甲子園でも活躍。1978年に巨人に入団。9年間で135勝を挙げ、MVP1回、最多勝2回、最優秀防御率1回。1987年に現役を引退後は、野球解説者・評論家として多方面で活躍。チャンネル名の「たかされ」は座右の銘でもある「たかが野球、されど野球」、著書の「たかが江川、されど江川」というところから。

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【動画】江川卓が佐々木朗希を徹底解説! 「もっと怖くなる」2割の伸び代とは?

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