清宮に覚醒の兆し、広島左腕は今永や青柳より高評価 セイバー指標で見る交流戦
交流戦MVPの村上はセイバー評価でも文句なし、清宮はパ打者で2番目の評価
今年のプロ野球交流戦はヤクルトが4年ぶり優勝を遂げ、村上宗隆内野手がMVPを初受賞した。ここではセイバーメトリクスの指標を用いて評価し、交流戦でのセ・パ両リーグMVPを選出する。
まずは、打者部門から。平均的な打者が同じ打席数に立ったと仮定した場合より、どれだけその選手が得点を増やしたかを示す「wRAA」と、出塁率と長打率の合計である「OPS」を用いて算出する。
○セ・リーグ「wRAA」ランキング
1位:村上宗隆(ヤクルト)wRAA11.73、OPS1.208、打席数75
2位:大山悠輔(阪神)wRAA9.21、OPS1.096、打席数74
3位:塩見泰隆(ヤクルト)wRAA7.69、OPS.993、打席数82
4位:丸佳浩(巨人)wRAA7.16、OPS.992、打席数76
5位:ビシエド(中日)wRAA6.45、OPS.948、打席数70
村上の交流戦本塁打数は6本で、大山の7本に次ぐ2位。5月24日の日本ハム戦で北山亘基から打ったサヨナラ2ランや、6月11日のソフトバンク戦での1点差に迫る2ラン&逆転満塁弾など印象深い一発が多かった。公式の最優秀選手賞にも選出された村上は、セイバーメトリクスの指標での評価でも文句なしのMVPだ。
○パ・リーグ「wRAA」ランキング
1位:杉本裕太郎(オリックス)wRAA8.00、OPS1.041、打席数74
2位:清宮幸太郎(日本ハム)wRAA7.39、OPS.991、打席数72
3位:山川穂高(西武)wRAA6.70、OPS.993、打席数75
4位:牧原大成(ソフトバンク)wRAA6.66、OPS.964、打席数65
5位:松本剛(日本ハム)wRAA4.85、OPS.875、打席数79
杉本は打率.391(69打数27安打)で交流戦首位打者となり、出塁率.432、長打率.609はともにリーグ1位だった。本塁打では山川が6本でリーグ1位、二塁打数では清宮が8本で交流戦1位と健闘したが、杉本に一歩及ばずだった。
wRAA=(wOBA-リーグ平均wOBA)/1.24×打席
wOBA={0.69×(四球-敬遠)+0.73×死球+0.97×失策出塁+0.87×単打+1.33×二塁打+1.73×三塁打+2.07×本塁打}/(打数+四球-故意四球+死球+犠飛)