凍りついた中日ベンチ「もう帰れ!」 立浪監督の怒号…京田が学んだ“我慢の意味”

父の変化を感じ取った3歳の愛娘「パパ1人でいける~?」

 くしくも、ちょうど1年ぶりの2軍降格。しばらくはリハビリ組に入り、ゆっくりと開幕からの日々を反芻した。立浪監督との約束を守れなかったのなぜか。我慢の本当の意味を考える。苦しい状況に、ただ歯を食いしばって堪え続けようと受け身になっていなかったか。「僕自身の野球人生。もしダメでも、前のめりにやらないと意味がない」。それが、指揮官が口にした“戦う顔”だと思った。

 いつまでも2軍にいるわけにもいかない。2児の父。勘の鋭さは似たのか、我が子は変化に敏感だった。降格後、初めて2軍の遠征に向かう日。久しぶりにスーツを着て家を出ようとすると、3歳の長女が珍しく両手を広げて抱きついてきた。

「パパ1人でいける~? 大丈夫~? ぎゅーしてあげる! 頑張ってね~!」

 愛娘からのエールを受け、福岡へ。今月14日からのソフトバンクとの2軍戦で、2試合連続のマルチ安打をマークした。直後に1軍昇格が決定。16日にバンテリンドームでの練習に合流した。

 この1か月余りの間にチームは失速し、6連敗で最下位に沈んだ。もちろん、責任の一端は自分にある。もう立浪監督を失望させるわけにはいかない。17日から再開するリーグ戦から、チームも自らも反攻へ。竜の遊撃は、やっぱり背番号1だと思わせてみせる。

(小西亮 / Ryo Konishi)

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