大谷翔平と「契約しなければ。しかし、したら勝てない」 他球団GMが指摘した理由

エンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】
エンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】

大谷の年俸10倍なら、選手層の薄いチームはバランス取ること困難に

 エンゼルス・大谷翔平投手の“契約延長問題”について、米メディア「ニューヨーク・ポスト」は「エンゼルスはショウヘイ・オオタニの難題をその手に抱えている」と題した記事で、球団の“ジレンマ”を解説した。

「ショウヘイ・オオタニは現在MLBで最もお買い得な選手だ。世界的な現象であり、ユニークなスーパースターは500万ドル(約6億6000万円)というほぼ球界の平均程度の額で誰もやったことがないことをしている」と評価するが「オオタニはもうすぐエンゼルスにとって財政上の問題になる」という。

 エンゼルスの総年俸はすでにかなり高く、大谷と契約延長できたとすれば、さらにそれは高くなるからだ。「エンゼルスの立場なら、オオタニと契約しなければならない。しかし、彼と契約したら勝てない」と、ある球団のGMは宣言する。

 2021年のMVPシーズンはWAR9.0を叩き出す活躍をした大谷。しかしチームはプレーオフ進出が遠い。球団側はメッツのマックス・シャーザー投手の年平均4330万ドル(約58億円)を超える史上最高額をオファーする用意があるとも報じられているが、大谷の年俸が10倍になると、すでに投手が手薄で選手層も薄いチームのバランスを取ることが難しくなる。記事では「ある他球団の幹部は、4年総額2億ドル(約268億円)ほどを払うチームは数多くあるだろうと話した」とも言及している。

 エンゼルスは大谷の莫大な人気の恩恵を受けている。二刀流での活躍は比較できる選手がいないが、DHとしてはJD・マルティネスと、投手としてはロビー・レイと比較すると、打者として2200万ドル(約29億円)、投手として2200万ドル、そこにマーケティングでの貢献に対する推定額、1500万ドル(約20億円)を足せば、6000万ドル(約80億円)選手となる。

 仮にこの額で契約したとすれば、エンゼルスは大谷、マイク・トラウト、アンソニー・レンドンの3人だけで1億3000万ドル(約174億円)を費やすことになる。この額は26人ロースターの年俸総額の平均と同じだ。「オオタニと契約しながら、それでも勝てるチームを作るという難題を成功させる方法を彼らが見つけることを願っている」と記事は述べている。大谷の去就が大きな注目を集めていることは間違いなさそうだ。

(Full-Count編集部)

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