なぜ鷹・和田毅は衰えない? 41歳でも進化を遂げる秘密は向上心と探究心

41歳になっても「レベルアップしたい気持ちは若い子たちと変わりはない」

 和田はこの日の試合後、こう明かす。「栄養の取り方に関して、ちょっと見直したところはある」。登板の2、3日前から、ミネラルやビタミンといった栄養素を意識的に摂るようにした。「千賀が教えてくれたので、やってみようかと思った」。3回で降板した広島戦後に千賀滉大投手からヒントを貰って早速、挑戦。ここ2試合は「そういう兆候も出ていない」と効果を実感している。

 また、今季は米国のトレーニング施設「ドライブライン」の練習方法も取り入れている。「プライオボール」という重さの違うボールを使うなど、トレーニングにも工夫を凝らし「因果関係はちょっとわかりませんけど、間違いなく昨年より肩の状態や体の状態はいい。怪我の予防って意味ではすごく役に立っているんじゃないかな」と語る。

 3回降板となった広島戦では149キロをマークしたが、ここ2試合の球速は145キロ前後。決して調子を落としているわけではない。「あの時みたいにぶん投げてはいないですね。ぶん投げたら(スピードは)出るんだなってのは分かったけど、逆に3回でつってしまった。今はちょっと自分で制御できるようなってきている」。出力と体の微妙なバランス。そこにも考えを配りながら、マウンドに上がる。

 源にあるのは今よりも成長したいという純粋な思いだ。「レベルアップしたい気持ちは若い子たちと変わりはない」とキッパリ。「自分で認めて、改善しなきゃいけないところは改善しないといけない。いい準備ができれば、こういう形でいいピッチングができるんだっていうのをこの2試合、自分自身に身をもって教えてもらえた」。また新たな自分、この日の登板でも発見した。

 日米通算150勝はまだまだ通過点。あと5勝でNPB通算150勝にも到達する。衰え知らず、いや、進化し続ける41歳。和田毅はまだまだ白星を積み重ねていけるはずだ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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