江川卓氏にあって佐々木朗希にないもの “昭和の安打製造機”が示した課題とは?

ロッテ・佐々木朗希【写真:荒川祐史】
ロッテ・佐々木朗希【写真:荒川祐史】

巨人戦で3盗塁許すも「打者を抑えればいいという思いが強いのでは」

 仮に今も現役なら、“昭和の安打製造機”は“令和の怪物”をどう打つのだろうか。ロッテ・佐々木朗希投手は4月10日のオリックス戦で、NPBでは28年ぶりとなる完全試合を達成し、その翌週も日本ハムを相手に“8回パーフェクト”と異次元の投球を披露。今季ここまで11登板で5勝1敗、防御率1.70をマークしている。黒星を喫したのは、6月3日の巨人戦だけ。現役時代に巨人で首位打者を2度獲得するなど打率3割を7度マーク、通算1696安打を放った篠塚和典氏が、右腕の現在地を分析した。

 佐々木朗のストレートは軽々と球速160キロを超え、落差の大きいフォークも150キロに迫る。スライダーとカーブも持ち球にあり、74イニングで与四球9とコントロールも良い。篠塚氏は「やはり第一はスピード。あのスピードでいろいろ変化球を放られては攻略しきれないでしょう」と絶賛。中でも高速フォークについては「もともと落ちるボールをとらえるのは難しい。その上150キロ近いフォークなんて練習できないですから、実際に対戦した時にしか体感できない」と感嘆する。

 唯一敗れた巨人戦は5回5失点。佐々木朗はウォーカーに二盗、吉川には二盗&三盗を許し、足でかき回された印象が強かった。しかし篠塚氏は「今のところ、走られようが何をされようが、打者を抑えればいいという思いが強いのではないでしょうか。そこは江川(卓)さん的な考え方があると思う」と見る。

 篠塚氏はかつて二塁手として、巨人の先輩で“昭和の怪物”と呼ばれた江川氏の後ろを守ったが、走者を気にするそぶりはほとんどなかったという。「佐々木君は今後、痛い目にあうことがあれば、クイックやけん制も勉強していくでしょう」と笑う。

佐々木朗との対戦で「捕手寄りに立つと、変化球への対応が難しくなる」

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