旧・川崎球場の照明塔に灯がともった…設置から68年、撤去決まった球史の“証人”

トークショーを行った佐々木信也氏(左)と村上雅則氏【写真:宮脇広久】
トークショーを行った佐々木信也氏(左)と村上雅則氏【写真:宮脇広久】

佐々木信也氏と村上雅則氏がトークショーに登場

 しかし、設置から70年に迫ろうとしている照明塔はさすがに老朽化が著しく、7月に1基、来年1月には残り2基も取り壊されることが決まり、代わりに最新式のLED照明塔2基も既に完成している。

 トークショーには、高橋ユニオンズでプレーし、現役引退後はフジテレビ系「プロ野球ニュース」の司会としても親しまれた佐々木信也氏と、日本人初のメジャーリーガーで、南海(現ソフトバンク)や日本ハムでも投手として活躍した村上雅則氏が登場。終了後には、照明が点灯された。赤色のナトリウムランプと水銀灯が半々のブレンド。“カクテル光線”と表現されるゆえんである。現在の主流となっているLEDとは違い、最高の光度を発するまでに十数分時間を要するが、暖かみのある光だ。

 富士通スタジアム川崎の支配人を務める田中育郎氏は「“三原マジック”と呼ばれた1960年の大洋の日本一、ロッテ時代の落合博満さんの3冠王3度獲得、伝説となっている1988年のロッテ-近鉄ダブルヘッダー『10.19』などをずっと見守ってきた照明塔がなくなってしまうのは残念」とした上で、「来年1月までに、いろいろなイベントを仕掛けていきたいですし、外野フェンスなどは、川崎市民や野球ファンの思い出が染み込んだ遺構として守っていきたい」と思いを新たにしていた。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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