コロナ陽性者が続出、柳田は首痛で欠場 重苦しい試合の中で見えた若鷹の明と暗

ソフトバンク・野村大樹【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・野村大樹【写真:藤浦一都】

8回に代打で安打を放った野村大だが、9回の守備で課題を露呈

■ロッテ 8ー1 ソフトバンク(27日・東京ドーム)

 ソフトバンクは27日、東京ドームで「鷹の祭典2022」初戦となるロッテ戦に臨み、1-8で完敗した。チーム内でこの日先発予定だった和田毅投手やジュリスベル・グラシアル内野手、野村勇内野手ら新型コロナウイルスの陽性者が続出。この緊急事態で急きょ、代役として先発した大竹耕太郎投手が5回途中4失点と結果を残せなかった。

 前日の試合で転倒した影響で首痛を訴えた主砲の柳田悠岐外野手がスタメンから外れた打線は9安打を放ちながらも、つながらず。8回に代打の野村大樹内野手が中前安打で口火を切ると、中村晃外野手、三森大貴内野手、周東佑京内野手もヒットで続いて1点を返したものの、この日奪った得点はこれだけ。最終回にリードを広げられて大敗となった。

 コロナショックの中での試合に敗れた藤本博史監督は「大竹を責めるわけにはいかない。要所要所、よく頑張ってくれていたけど。急きょやから、なかなか準備ができていなかったのもある」と左腕をかばう。その一方で、元気のなかった打線に「自分のやることは精一杯やっているんじゃないですか。今日もね、調子の良いモノから並べていったけど、なかなかつながらないというか」と表情を曇らせた。

 重苦しい空気の漂う一敗。その中でも光を感じさせた若鷹がいた。8回に代打で登場し、ヒットを放った野村大だ。先頭打者として中前安打を放ち、後続のヒットでこの日唯一の得点を挙げた。コロナ陽性となった選手たちに代わっての急きょの1軍昇格。その中で“戦う姿勢”を示した1人だったと言えるだろう。

 もちろん課題もあった。そのまま三塁の守備に就くと、無死一、二塁で、走者を避けて打球を待ったことでゴロを内野安打にしてしまった。これでピンチが広がり、この回3点を失った。就任当初から藤本監督が課題として指摘してきた守備面の拙さが露呈し、指揮官も「ああいうところよね。せっかく代打でいいヒットを打ってね、そのままサードについて、守りでああいうことしとったら、何が優先かっていうところ」と、打撃は評価しつつも、守備には苦言を呈していた。

「相手投手が速球派で、早くタイミングをとるイメージでスイングを仕掛けにいきました。とにかくチャンスメイクできたことは良かったです。もっと勝利に貢献できるように頑張っていかなければいけないと強く思った1日となりました」と振り返った野村大。チャンスだったはずの真砂や高橋礼がアピール不足に終わる中で、課題こそ露呈したものの、覇気には光を感じさせていた。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY