引退後の“株で大失敗”で再確認 五十嵐亮太氏と元世界王者に共通した「学び」

元ボクシング世界王者の内山高志さん(左)と五十嵐亮太さんの「同級生対談」が実現【写真:荒川祐史】
元ボクシング世界王者の内山高志さん(左)と五十嵐亮太さんの「同級生対談」が実現【写真:荒川祐史】

同世代対談「極める」第1弾、五十嵐亮太vs元ボクシング世界王者・内山高志【第5回】

 日米23年のプロ野球生活を送った五十嵐亮太さんと、各界で活躍する“同世代”との対談シリーズ。「極める」を合言葉に、多岐にわたるトピックスについて語り合う。第1弾のゲストは、元ボクシングWBA世界スーパーフェザー級王者で世界王座11度防衛を果たした内山高志さんだ。全5回のラストは「競技から学んだこと」をテーマに締めくくる。

◇◇◇◇◇

――マウンドでもリングでも“孤独な戦い”と言われます。

内山:確かに1人ですけど、相手も1人ですからね。

五十嵐:そうなんですよ。戦闘態勢に入って勝負に集中していると、孤独を感じることは一切ない。相手を倒すためにどうするか、考えるのはそれだけ。心理的に自分が優位に立つ思考ですよね。

内山:向き合って「アイツ、俺のこと怖がってるな」と思って、自分で自分を盛り上げますね(笑)。

五十嵐:それはある(笑)。勝負師として警戒心を持つのはいいけど、それでパフォーマンスが落ちたら意味はない。ボクサーもバチーンとやられたら終わりだから、ある程度は警戒しますよね?

内山:警戒はしますね。だから、いきなり思いきり踏み込むことはないですね。

五十嵐:そう、そこはバランスですよね。「いくぞ!」と思いながらも、どこか冷静じゃないとダメ。

内山:ダウンを奪った後も冷静じゃないといけない。4回戦、6回戦の若い選手は急にテンションが上がって、相手が立ち上がった時に急いで攻めて、クリンチばかりになってもったいないことが多いですよ。

五十嵐:なるほど。内山さんはダウンさせた時は落ち着いている方ですか?

内山:僕は結構落ち着いていて、ジワジワ攻めるタイプですね。だから、自分がダウンされた時に、相手が急いで攻めてくると「落ち着け! 来るな!」って思いました(笑)。

五十嵐:でも、それは来るでしょ(笑)。

内山:僕の対戦相手は世界ランカーばかりだったから、もう一発もらったら倒れちゃうじゃないですか。でも、心の中では「危ない、来るな!」って思っていても、一応「かかってこい!」みたいな顔を作るんですよ。そうすると相手が「まだ目が死んでいないぞ」と感じて怯む可能性もあるので(笑)。

五十嵐:面白すぎる(笑)。

五十嵐「少し色気を出して3球三振を狙いにいくと、だいたい結果は良くない(笑)」

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