「あんな選手見たことない」カーショー支えた日本人トレーナーが驚く球宴選手とは

サイ・ヤング賞3度の剛腕をマイナー時代から見守ってきた

　メジャーリーグのオールスターゲームは19日（日本時間20日）にロサンゼルスのドジャースタジアムで行われる。ここに万感の思いで参加しているのがドジャースの日本人トレーナー、中島陽介さんだ。ナ・リーグの先発としてマウンドに上がるクレイトン・カーショー投手は、マイナーリーグ時代から成長を見守ってきた存在だ。

　中島さんが球宴に参加するのは2回目。カーショーの先発を「嬉しいですね。マイナーの時から知っているので」と心から喜ぶ。サイ・ヤング賞3回、MVP1回受賞の192勝左腕は、若い頃から研究熱心。「投げる日は集中力がすごいですし、すごく練習しますね。やらなきゃいけない時を知っている。登板の間にしっかり体を作って、練習してやっている」と、豊富な練習量が長年第一線で活躍し続ける原動力と見ている。

　同じように、練習熱心な姿が印象深いのは、元ドジャースで今季からレンジャーズに移籍したコーリー・シーガー内野手だ。こちらもマイナー時代から知っており「若い時から違うなというか、人間的にできている子だったので大好きです。打撃にはストイックで、人一倍打っています。練習量がハンパない。あんな選手は見たことがない」と手放しの褒めようだ。守備でも「グローブにはすごく気を使っていますよ」とこだわりを持つ。

　ドジャースタジアムでの球宴は1980年以来、実に42年ぶりの開催となる。中島さんは球宴前日のグラウンドでシーガーとも言葉を交わしたといい、2人の対決を楽しみに待つ。

　また、所属するドジャースは前半戦を60勝30敗、強豪ひしめく地区で2位のパドレスに10差という独走状態を築いている。その理由として「フロントが、怪我人が出ても穴埋めする選手をしっかり作ってくれている。人間性とかも全部調べて（選手を）獲ってくるので、やりやすいですよ」と組織としての強さを感じており、自身も「勝つために何ができるかと常に考えています。怪我の治療も、勝つことだけを考えてやっている」。伝統球団の強さを、身をもって体現している。

（盆子原浩二 / Koji Bonkobara）