大谷翔平に日本初のメジャーリーガーが送るエール 「20勝・40本塁打を目指して」

アジア出身選手として初のメジャーリーガーとなった村上雅則氏【写真:盆子原浩二】
アジア出身選手として初のメジャーリーガーとなった村上雅則氏【写真:盆子原浩二】

1965年オフに南海へ復帰「約束を破ってはいけない」

 しかし、同年オフに村上氏は南海に復帰する。本心はジャイアンツに残留したかったというが、“義理”を重視した。当初は3か月間の予定での渡米。契約書もなかったそうで、南海球団が「『(米国に)いていい』というから」米国でプレーを続けたという。ところが65年オフに復帰の要請。「帰ってきてほしいというから。自分はこっち(米国)でやりたかったけど、約束を破ってはいけない」と語る。

 南海に復帰したのは何よりも鶴岡監督との“義理”を大事にしたためだった。日本では南海、阪神、日本ハムを渡り歩いて通算566登板、103勝82敗30セーブ、防御率3.64をマークして1982年シーズンを最後に現役を退いた。

 村上氏以降、次の日本人メジャーリーガーはなかなか現れなかった。そんな時に野茂英雄氏がドジャースへ。1995年にトルネード旋風を巻き起こした。「そろそろ誰か行ってくれたらいいなと思っていた頃でした」。

 以降はイチロー、松井秀喜、黒田博樹、松坂大輔、田中将大ら多くの選手が海を渡り、現在に至る。現役で気になる一人は大谷。「マナーもいいし、いつもニッコリ。チームメートとはしゃいで……こっちに合っている」と目を細める。そして「ドジャースやアストロズ、ヤンキースにいれば20勝ペースで40本塁打するような選手」と低迷するエンゼルスの状況を気にかけつつ「20勝40本をやってもらいたい」とエールを送った。

(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)

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