海外フリーエージェント(FA)権の取得は最短で2027年オフだが…
オリックスの山本由伸投手が“タジタジ”になる場面があった。「マイナビオールスターゲーム2022」に出場していた26日のTVインタビュー。生放送でメジャーへの思いを問われると「憧れはもちろんあります」と苦笑いを浮かべ答えていた。
公の場で初めてメジャーへの思いを口にしたのは昨年の契約更改だ。交渉の席では、将来的なメジャー挑戦を直訴したことを明かし「時間をかけて話したのは初めて。しっかり理解してくださったと思う」と有意義な時間だったことを語っていた。
では、山本の“夢”が叶うのはいつになるのか? このまま怪我無く順調にシーズンを過ごしていけば、海外フリーエージェント(FA)権の取得は最短で2027年オフで、年齢でいえば29歳。実力、実績的にも最も脂が乗った時期ともいえるが、ポスティングシステムを利用しての移籍が現実的だろう。
今季は前半戦だけで10勝をマーク、2年連続の沢村賞も視野
今オフにいきなり移籍が実現することはないだろう。以前から球団関係者も「1、2年で結果を残したから『じゃあ、どうぞ』とは言えない」と口にしている。プロ2年目の2018年に54試合に登板しブレークしたが、先発として2桁勝利をマークしたのは、18勝で沢村賞に輝いた昨年が初めて。
今季は前半戦だけで10勝を挙げ、順調にいけば2年連続の沢村賞も視野に入っている。そして、来年3月に開催される第5回・WBCでは侍ジャパンのエースとして大きな期待が寄せられている。すでに、メジャーのスカウトから評価を得ているが、国際大会で圧倒する姿を見せ、同年のシーズンもリーグトップの成績を残せば――。
一度、同球団関係者に「どれくらいの成績を残せば“GOサイン”が出ますか?」と聞いたことがある。数字だけでなく、リーグ優勝にどれだけ貢献できるかなどもあるが「3年連続で沢村賞を獲るぐらいの成績を残せば、誰も文句はいえない。本人も日本でやり残したことはなくなるでしょう。こればっかりは何とも言えないけどね」と語っていた。
契約更改の席で福良GM「夢は応援してあげたい(笑)。まぁ、ゆっくり話して行くしかない」
オリックスから過去にポスティングシステムでメジャーに移籍したのはイチローだけ。7年連続首位打者という圧倒的な成績を残し、球団やファンを納得させた経緯がある。
山本が仮に3年連続で沢村賞を獲得すれば、最短で2023年オフ、さらにMLBが定めるインターナショナルFA(25歳未満&プロ経歴6年未満の選手)の資格も満たし、契約金の制限に縛られることなく交渉が進められる。単なる偶然と言われればそれまでだが、山本と球団にとって全ての条件が整うのが2023年オフともいえる。
チーム編成の権限を持つ福良淳一GMは昨年の契約更改後に「夢は応援してあげたい(笑)。まぁ、ゆっくり話していくしかない」と、何とも言えない表情を浮かべていた。リーグ連覇をかけた後半戦、そして来シーズンと山本はどのような姿を見せてくれるのか、楽しみにしたい。
○著者プロフィール
橋本健吾(はしもと・けんご)
1984年6月、兵庫県生まれ。報徳学園時代は「2番・左翼」として2002年は選抜優勝を経験。立命大では準硬式野球部に入り主将、4年時には日本代表に選出される。製薬会社を経て報知新聞社に入社しアマ野球、オリックス、阪神を担当。2018年からFull-Countに所属。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)