田中将大に迫る数字残したオリの新人右腕 セイバー目線で選ぶ7月のパMVPは?

新人のオリックス・椋木蓮が優秀な数値も…その上を行くマー君

 投手評価には、平均的な投手に比べてどれだけ失点を防いだかを示す「RSAA」を用いる。ここでのRSAAは「tRA」ベースで算出。tRAとは、被本塁打、与四死球、奪三振に加え、投手が打たれたゴロ、ライナー、内野フライ、外野フライの本数も集計しており、チームの守備能力と切り離した投手個人の失点率を推定する指標となっている。各チームの「RSAA」上位2選手は以下の通り。

○西武 水上由伸2.75、本田圭佑1.91
○楽天 田中将大4.68、岸孝之4.35
○ソフトバンク モイネロ3.40、千賀滉大3.15
○オリックス 椋木蓮4.36、ワゲスパック3.40
○ロッテ オスナ2.51、東條大樹2.36
○日本ハム ポンセ3.66、池田隆英2.98

 7月7日に1軍デビューしたオリックスの椋木蓮は2戦目の7月20日、日本ハム戦で9回2死まで打者28人に対してノーヒットピッチング。あと1人抑えれば、1987年の近藤真一(中日)以来の新人ノーヒットノーラン達成だったが、29人目の打者、佐藤龍世に高めのスライダーをセンターに運ばれ、大記録達成はならなかった。

 ただ7月2試合の成績は優秀で、登板2、14回2/3で防御率0.00、QS率100%、被本塁打0、奪三振率11.05、K/BB3.60、被打率.065、被OPS.222、WHIP0.55、空振り率16.7%を残している。スライダーとフォークを武器にしており、フォークでの空振り率は31%に達している。

 そして、7月のパ・リーグ投手陣の中で最もチーム貢献度が高かったことを示したのは、楽天の田中将大だ。登板4、2勝0敗、26回、防御率1.73、QS率75%、被本塁打0、奪三振率7.27、K/BB2.63、被打率.178、被OPS.504、WHIP0.92、空振り率10.9%。打たれた打球の58.6%がゴロ打球と、しっかり打ち取った投球内容が光った。勝ち星には恵まれなかったが、7月のセイバー目線で選ぶ月間MVPに推薦する。

打者は楽天・島内宏明とオリックス・吉田正尚のハイレベルな争い

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