トレードから僅か2日後に“戦力外”に 球団の思惑に翻弄された右腕が新天地に

ロッキーズが獲得を発表したディネルソン・ラメット(写真はパドレス時代)【写真:Getty Images】
ロッキーズが獲得を発表したディネルソン・ラメット(写真はパドレス時代)【写真:Getty Images】

ラメットはブルワーズに移籍も2日後にDFA、ロッキーズ加入が決まった

 ロッキーズは5日(日本時間6日)、ブルワーズから事実上の戦力外(DFA)とされ、ウェーバー公示されていた30歳右腕ディネルソン・ラメット投手を獲得した。パドレスに在籍していたラメットは4対1の交換トレードで1日(同2日)にブルワーズに加入。3日(同4日)にDFAとなる憂き目にあっていたが改めて新天地が決まった。

 ブルワーズで29セーブを挙げていた守護神ジョシュ・ヘイダーとのトレードで、パドレスは28セーブのテイラー・ロジャースの他にラメット、有望株2選手を放出した。ところがその48時間後にラメットはブルワーズからDFAとなる。

 米最大の移籍情報サイト「トレード・ルーマーズ」によると、ブルワーズのデビッド・スターンズ球団編成本部長はバランスを取るためにトレードでラメットを獲得したものの、その後も行ったトレードによってロースターに入れておくことが難しくなったという。ブルワーズはラメット獲得の翌日にレンジャーズからマット・ブッシュ、ジャイアンツからトレバー・ローゼンタールの両右腕投手を獲得。その結果、ラメットの居場所がなくなったようだ。

 ラメットはメジャー通算15勝19敗、防御率4.08。デビュー年の2017年に7勝を挙げた他、コロナ禍で短縮シーズンとなった20年には12登板で3勝1敗、防御率2.09をマークし、サイ・ヤング賞の候補にも挙げられた。しかし、同年の後半から故障に悩まされ、救援に転じた今季は13登板で防御率9.49と精彩を欠いていた。2020年には平均97マイル(約156.1キロ)だった速球は、今季平均95.3マイル(約153.4キロ)だったという。

 今季年俸は477万5000ドル(約6億4500万円)。パドレスは2年連続でぜいたく税を払う方向になっており、ラメットの放出はチームのぜいたく税に影響を与える選手を“捨てる”ことも意味すると記事は指摘。さらにスターンズ氏の“バランス”という言葉も財政上の事を指していると取ることもできるとしている。いずれにせよ、ラメットがロッキーズでどんなパフォーマンスを見せるか、注目される。

(Full-Count編集部)

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