清宮幸太郎は何が変わったのか 名伯楽・内田順三氏が分析、球宴弾に見た進化の跡

日本ハム・清宮幸太郎【写真:荒川祐史】
日本ハム・清宮幸太郎【写真:荒川祐史】

左中間への球宴サヨナラ弾に「持っている運、資質を感じる」

 日本ハムの清宮幸太郎内野手は5年目にして初の年間2桁本塁打に前半戦で到達。「マイナビオールスターゲーム2022」第1戦(PayPayドーム)ではサヨナラ本塁打を放ってMVPを受賞した。大器と期待され続けてきた左打者がいよいよ覚醒の時を迎えたのか。広島、巨人で指導者として数々の好打者を育て上げた名コーチで、現役時代(ヤクルト、日本ハム、広島)から50年連続でプロのユニホームを着た野球評論家の内田順三氏が分析した。

「今までから見れば絶対に変わっています。彼の持っている運、資質を感じます」。内田氏は球宴での一発に、清宮の魅力が凝縮されていると指摘する。

 8月9日時点で清宮はチームトップの13本塁打を放っている。打率は.228と低いが、それでも「プラスワン」投票で最後の1枠を射止めて球宴に初出場した。第1戦では7回から左翼の守備に就き、2-2の同点で迎えた9回2死無走者で2打席目が回ってきた。セ・リーグの森下暢仁投手(広島)は“お祭り仕様”の150キロ超のストレートで力勝負を挑む。カウント1-2からの5球目。清宮は真ん中やや外寄り低めの154キロを左中間に運んでみせた。

 内田氏は逆方向に飛ばしたことに着目する。歴代最多とされる111本塁打をマークした早実高時代から引っ張りの打球が多かった清宮。「これまでならセカンドゴロであったり、打ったとしてもドライブがかかった右中間への当たりだったのではないでしょうか」と内田氏は指摘する。

 清宮と同学年で日本を代表するスラッガーに成長したヤクルト村上宗隆内野手らを念頭に「遠くへ打つようなバッターは広角に打てます。他の選手が10の力だったら6、7の力で打球が遠くに飛んでいくのがホームランバッター。清宮もパワー、スイングスピードがある。打ったボールに角度を付ける技術は最初から持っています」と解説する。

課題は正確性と再現性、近藤健介を「追いかければいい」

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