試合中に「解雇しろ」…ファン不満爆発でGM解任 スター売却も「失敗に終わった」

ア・リーグ中地区最下位に沈むタイガース【写真:Getty Images】
ア・リーグ中地区最下位に沈むタイガース【写真:Getty Images】

ア中地区最下位のタイガースはアル・アビラGMの解任を発表した

 タイガースは10日(日本時間11日)、アル・アビラGMの解任を発表した。2016年にGMに就任すると、4年連続で地区優勝を果たしたスター軍団の解体に踏み切り、ジャスティン・バーランダー投手らを若手有望株とのトレードで放出した。しかし再建は長引き、昨季は77勝85敗でア・リーグ中地区3位とようやく光が見えたが、今季ここまで再び最下位に低迷。このまま終わると就任から7年間で4度目の最下位となり、ファンの不満が爆発していた。

 米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」はこの解任劇を「クリス・イリッチ社長兼CEOによるこの決断は、長い再建に陥っているタイガースファンの長年のフラストレーションへの反応を示したものだった」と分析。イリッチ氏の「今年、我々が進歩できていないことが明確になった。(傘下との比較で)特にメジャーにおいてはね」とのコメントを紹介している。

 記事によると、ファンが試合中に「アル(・アビラGM)を解雇しろ」と叫んだり、同様のメッセージが書かれたTシャツを着たりすることもあったという。さらには元守護神のジョエル・ズマヤ氏が、SNSでGMの解雇を求める長い投稿を複数回にわたって行うなど、高まる不満の声を無視できない状況に陥ってしまった。

 再建が進まぬ理由について、「ジ・アスレチック」は、バーランダーやJD・マルティネス外野手の対価として手に入れた若手選手が思うように活躍していないことを指摘している。アビラGMは就任後、分析部門を一から立ち上げ、MLB公式のランキングで2位になるファームシステムを築き、テクノロジーに投資して球団のインフラをゆっくりと向上させるなど改革を進めたが、メジャーに昇格した有望株の苦戦が目立っていた。

 将来のエース候補のタリック・スクーバル投手(現在は故障者リスト)らは頭角を現したものの、野手の育成に苦戦していること、トレードの対価も最小限しか得られていないことなどから「アビラの時代は結局のところ失敗に終わった」と結論付けられている。一方でアビラ氏は解任に際して「今季の結果がもっといいものであったらと思っていますが、これから楽しみなことがたくさん待っていると知っています。皆様に幸あれ」との声明を発表している。

(Full-Count編集部)

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