日本ハム新庄ビッグボス「逆いったれ」 “奇策”継投の意図は「試合でテスト」

日本ハム・新庄剛志監督【写真:町田利衣】
日本ハム・新庄剛志監督【写真:町田利衣】

吉田は銀次を左飛、北浦は浅村を遊ゴロに打ち取った

■楽天 2ー1 日本ハム(16日・札幌ドーム)

 日本ハムは16日、札幌ドームで行われた楽天戦に1-2で逆転負けを喫し、借金は17となった。8回に新庄剛志監督は左打者の銀次に対して右の吉田を、続く右打者の浅村に対して左の北浦を送り込む“ビッグボス流継投”を披露。その意図は「逆いったれ」だった。

 先発の根本がプロ入り最長の7回1/3を投げ2失点と好投。8回に先頭の小深田を右飛に封じ、自身最多105球となったところで投手交代が告げられた。打席は2番の銀次。セオリー通りなら左投手となりそうだが、コールされたのは吉田だった。

 吉田は10球を費やしながらも銀次を左飛に打ち取る。そして3番の浅村のところで今度は北浦を送り、強打者を遊ゴロに打ち取った。北浦は試合前の時点で対右打者の被打率.222、対左打者は同.364だったとはいえ、やはり何が起きるか分からないのがビッグボスの采配だ。

「それが好きなんですよ。大体左バッターに対して左ピッチャーはもうほかのチームは慣れていると思う。だから逆いったれ、と思って。右バッターに左ピッチャー。成功するときもあれば、失敗するときもある。今日は成功しましたけどね」と指揮官は満足そうに笑みを浮かべた。

 さらに「その成功が増えれば、ほかのチームもやってくる可能性もある。テストですね。試合でテスト」。実際の試合で概念を覆す一手を打ち続け、様々な可能性を模索しているようだ。

 とはいえこの日は初回の近藤のソロによる1点のみに封じられ、投手陣の頑張りを白星に結びつけることはできなかった。楽天戦はこれで5勝12敗と7つもの借金を抱えている。「なーんか勝てんね。全然歯が立たないわけではないけど。やっぱ強いということですかね。何か方法を考えないと」。現状を打破するために“新たな作戦”を練り続けている。

(町田利衣 / Rie Machida)

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