「かわいそうな目にあわせてしまった」 初戦敗退の明徳・馬淵監督が語った葛藤と愛情

「3年間頑張ってきたから、いろんな選手を出してやったりしてたんですけども」

「組み合わせが厳しく、全員を使ってやれるようなゲームが少なかった。いつもなら、ちょっと力の差があると思った時に、3年生は大学とかの進路のこともあるし、3年間頑張ってきたから、いろんな選手を出してやったりしてたんですけども。初戦からフルメンバーでやらざるを得なかったんです」

 高校からプロ野球の世界に進むのは一握り。ほとんどの生徒は大学や社会人に進み野球を続ける。そのなかで県大会出場、全国大会出場など記録に残る“アピール材料”が必要になることもある。大会期間中は勝利だけを追い求めるのではなく、生徒たちの将来を考えながら采配を振るっているのだ。

 出場機会を与えることができなかった生徒たちへの愛情。わずか1試合で甲子園の舞台を去ったが、名将・馬淵の言葉には人を惹きつけるものがある。

○著者プロフィール
橋本健吾(はしもと・けんご)
1984年6月、兵庫県生まれ。報徳学園時代は「2番・左翼」として2002年は選抜優勝を経験。立命大では準硬式野球部に入り主将、4年時には日本代表に選出される。製薬会社を経て報知新聞社に入社しアマ野球、オリックス、阪神を担当。2018年からFull-Countに所属。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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