「打っても打たなくても変わらない姿を」 日本ハム2年目・細川凌平が守り続ける“イチロー流”

日本ハム・細川凌平【写真:羽鳥慶太】
日本ハム・細川凌平【写真:羽鳥慶太】

稲葉篤紀GMとの“面談”で進む方向が少しずつ明確に

 では、細川にとっての“軸”はどこにあるのだろう。それも日々、明確になっている。4月に2軍落ちしたのは、出場機会が1軍では十分に得られないことも理由だった。2軍に戻ってから、稲葉篤紀GMと話す機会があった。目指す打者像について、どう思っているのかと問われた。

「やっぱり打率や出塁率を求めないといけない選手だな、という話をしました。本塁打をたくさん打てる選手ではないので。そういうタイプの選手を見た時に必要なのは、ボール球を振らないこと。そもそも“振ってしまう”率が低いですし、空振りの少ない選手が多い。だからといって当てにいかず、ライナーや強いゴロを打たないといけませんよね」

 球界のトレンドに漏れず、日本ハムも多方面から選手のデータを収集し、分析するアナリストを置いている。稲葉GMとの話に加え、アナリストからは具体的な数値も示された。細川が向かう方向にいる選手は、どのような数字を残しているのか。ロッテの荻野貴司外野手や、中日の大島洋平外野手の名前が挙がった。彼らは1軍での空振り率が3パーセント台だというのだ。

「100球に3球しかないんです。空振りは単純に悪いことではないですが、このくらいの数値なんだよと教えていただきました。同級生で、今季は1軍でプレーしているヤクルトの内山(壮真)も、去年のファームで5%くらいだったそうです」

 そう話す細川の空振り率は、10%ほどあった。数字を使って説明されることで、より理解も深まった。

「コツコツやるしかないなと思いました。ファームにいる時間こそ大事。1軍にいてもここにいても一生懸命に、場所や状況が変わっても変わらずやることが必要だと思います。少ないチャンスをものにしないといけないので」と落ち着いた口調で語る姿は、まるで哲学者、いや求道者のようだ。

外野を守るようになり「あまり動きすぎないのはすごく納得できます」

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