“愛弟子”語る師匠・イチロー氏への感謝 「憧れ。でも友達と呼べる存在でもある」

マリナーズのフリオ・ロドリゲス(左)と会長付き特別補佐兼インストラクターを務めているイチロー氏【写真:Getty Images】
マリナーズのフリオ・ロドリゲス(左)と会長付き特別補佐兼インストラクターを務めているイチロー氏【写真:Getty Images】

イチロー氏は球団殿堂入り会見を行い、ロドリゲスは超大型契約を発表

 マリナーズの会長付き特別補佐兼インストラクターを務めるイチロー氏が26日(日本時間27日)、T-モバイル・パークで球団殿堂入りの記者会見を行った。またこの日球団は、“愛弟子”として知られるフリオ・ロドリゲス外野手と最大2039年シーズンまでの超大型契約を結ぶことも発表。地元紙「シアトル・タイムズ」は2人の“師弟関係”について明かしている。

 2人の関係は、2019年のスプリングトレーニングから始まった。当時18歳だったロドリゲスは、引退を数週間後に控えた当時45歳のイチローがケージで打撃練習しているのを見ると、ロッカーに走って戻り、携帯を掴んで恥ずかしそうにイチローに近づいて写真を求めた。イチローは快諾し、ロドリゲスは今もその写真がお気に入りだ。

 翌2020年のスプリングトレーニングはロドリゲスにとって初のメジャーでのキャンプ。キャッチボールの相手をイチローにお願いし、そこから2人の関係は親密になっていく。キャンプでは毎日キャッチボールをするようになり、2021年、2022年のスプリングトレーニングでも同様だった。徐々にロドリゲスは打撃練習で「イチローからホームランを打つ」と、イチローをからかえるほどの関係になった。

 マリナーズのホームゲームではいまだにユニホームを着て、試合前の練習に参加しているイチローには、基本的なルールがある。それは、求められていないアドバイスはしないが、選手のほうから求められたら惜しげもなく知識を伝える、というもの。ロドリゲスは尻込みせずに教えを請い、イチローから野球に限らず人生をも吸収しようとしている。センターでボールを追う時のフットワーク、盗塁するときに打球の行方を確認する方法、送球メカニクスなど教わったことは多い。

「僕たちの関係はアメージングだと思う。野球について、いや、僕が必要とすることは何でも、頼って尋ねることができる人だと感じている。彼のようなレジェンドが僕たちと一緒にいてくれるなんて本当に感激だよ。イチローは僕の憧れの存在。でも、友達と呼べる存在でもあるんだ」とロドリゲスは感謝を込めた。

 イチローもまた、ロドリゲスに一目置いている。最初に感銘を受けたのは、自身の特徴でもあった準備の一貫性。この日の球団殿堂入りの会見でも「驚くのは21歳で、例えば足が速いとか打つのがうまいとか守備がうまいとかたくさんいますし見てきました。でも162試合を戦うために、毎日同じことを続けられる能力を持っている選手はごくごくわずかしかいないというのが、僕の経験からの1つの結論。フリオはそれを既に持っているし、おそらくこの後も続けるだろうと想像させますね。なんでそれを持っているのか全然よく分からない」と話している。

さらに「人に対して過剰に期待するとかそういうことってしないようにしてきたんですけど、フリオに関してはそれをできる選手だと思うので、やはりまたそれを見たい、どこまでいくのかを見てみたいので、僕ができることを全部やりたいという気持ちですね」と語ったイチロー氏。現役の選手で殿堂入りのポテンシャルを持っている数少ない選手の1人として、大きな期待を寄せている。

(Full-Count編集部)

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