「今までのマリーンズとは違う」 逆転優勝へ…ロッテ井口監督が誓う巻き返し

ロッテ・佐々木朗希【写真:荒川祐史】
ロッテ・佐々木朗希【写真:荒川祐史】

佐々木朗希に不安なし「今はまだ成長段階の始めにある」

 8月は(佐々木)朗希を心配する声も聞こえてきました。確かに5失点する日があったり、3被弾する試合があったり。ですが、まだ先発ローテ入りして1年目。当然フルシーズンを戦う疲れも感じているでしょう。ここまで戦う中で完全試合達成という素晴らしい面が見られた一方、彼の弱点・改善点も見えています。いい経験の年として飛躍に繋げてくれればいいと考えています。

 誰もローテ1年目から15勝、20勝できるなんて思っていません。いずれ20勝、30勝する投手に成長すればいい。超一流投手になる素質はありますが、今の朗希を田中将大投手(楽天)や山本由伸投手(オリックス)と比べるのは少し違う。今はまだ成長段階の始めにあるので、その彼にずっとパーフェクトであることを求めるのは違うでしょう。160キロを超える球速であったり、奪三振数であったり、当然期待は高まるでしょうが、投手にとって一番大切な働きはチームを勝たせること。そのための経験値を積んでほしいですね。

 一流投手は、自分の状態がよくない試合でもチームに勝機をもたらす投手だと言います。打者で言えば、得点チャンスで最低限の仕事が絶対にできる打者は一流と言えるでしょう。もちろん、若い打者にいきなり一流であれとは求めませんが、経験を積むチャンスは与えます。結果が求められる1軍では、なかなかやりたいことはできないかもしれませんが、“経験こそは財産”と成長に繋げてもらいたいですね。

 泣いても笑っても残り1か月。僕は現役時代、個人の成績を上げることがチームのプラスになると考え、開幕当初に掲げた目標に対して諦めず挑戦し続けました。選手のみんなも物事を大きく捉えすぎず、まずは自分の目標に少しでも近付けるように取り組んでほしいと思います。それが最終的にはチームのためになる。

 ここ2シーズンは2位で終え、我々はもちろんファンの皆さんも悔しい想いをしています。残り試合は今までやってきたことをすべて出すしかないし、みんなの真価が問われるところ。今までのマリーンズとは違う戦いを、最後まで貫いていきたいと思います。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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