ビッグボスの奇襲は「助かった」 西武・辻監督、冴えた勝負勘「嫌な予感がした」

西武・辻発彦監督【写真:荒川祐史】
西武・辻発彦監督【写真:荒川祐史】

ビッグボス采配に「びっくりしたけれど結果的に助かった」

■西武 3ー1 日本ハム(30日・ベルーナドーム)

 西武は30日、本拠地・ベルーナドームで行われた日本ハム戦に3-1で競り勝った。試合のなかったソフトバンクを抜いて1週間ぶりに首位に浮上。就任6年目で、3年ぶりのリーグ優勝に執念を燃やす辻発彦監督の“勝負勘”が冴えた。

 最後の最後まで綱渡りだった。守護神の増田達至投手は2点リードの9回1死ニ、三塁のピンチを背負ったが、古川裕を外角いっぱいのスライダーで見逃し三振に。続く今川もスライダーで空振り三振に仕留め、抑え切った。辻監督は「最後は同点までは覚悟しつつ、なんとか外野フライ1本くらいに抑えてくれないかと願っていました。苦しいところで投げてきた経験があればこそでしょうね」と通算172セーブ目(リーグトップタイの今季28セーブ目)を挙げた増田を称え、「なんとか勝ち切れましたが、やっぱりしんどい」と本音を漏らした。

 初回は、予想もしていなかったビッグボス采配に仰天させられた。先発のエース・高橋光成がいきなり1死満塁と追い込まれ、打者は俊足の左打者・上川畑。相手は初球に、3人の走者が一斉にスタートを切り、ヒットエンドランを敢行したが、インハイの144キロ速球に三邪飛となり、飛び出していた二塁走者も刺して併殺。無失点で切り抜けることができた辻監督は「びっくりしました。何が起こったのかと思った。上川畑の足なら(普通の内野ゴロでも)ゲッツーはないと考えるところだからね」と話し、「(結果的に)助かりましたね」とうなずいた。

 1-1で迎えた4回には、先頭の森友哉捕手が右中間へ通算100本塁打となる今季6号ソロを放ち、勝ち越し。1死後にも呉念庭内野手が右翼席へ4号ソロを運び、リードを広げた。

8回途中で高橋光成の降板決断「投手コーチは続投させたかったかも」

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