田澤純一が14年ぶりにENEOS復帰 日本選手権にも出場可能「全力でチームに貢献」

古巣ENEOS復帰が決まった田澤純一【写真:本人提供】
古巣ENEOS復帰が決まった田澤純一【写真:本人提供】

高校卒業後から4年プレーした古巣で再びマウンドに

 社会人野球の強豪・ENEOS野球部は7日、メジャーなどで活躍した田澤純一投手が入団したことを発表した。高校卒業後の2005年から、レッドソックス入団前の2008年まで所属した田澤にとっては、14年ぶりの古巣復帰。9年ぶり12度目の優勝を飾った都市対抗野球に続き、10月30日に開幕する社会人野球日本選手権での優勝を目指すENEOSにとっては、強力な助っ人が加わることになった。田澤は「全力でチームに貢献したい」とコメントを寄せた。

 様々な経験を積み重ねた男が、原点に戻ってきた。田澤は2005年、横浜商大高から新日本石油ENEOS(現ENEOS)入りし、野球人としての第一歩を踏み出した。大久保秀昭監督の指導の下、2008年のJABA東京スポニチ大会では大会新記録となる18奪三振を記録。同年の都市対抗野球では全5試合に投げて4勝(1完封)、防御率1.27の活躍でMVPにあたる橋戸賞を受賞した。

 2008年9月にメジャー挑戦の意思表明をし、12月にレッドソックスと3年のメジャー契約を結んだ。渡米後はマイナー2Aから積み上げ、1年目の2009年8月7日にヤンキース戦でメジャー初登板。翌年にトミー・ジョン手術を受け、2011年に救援としてメジャー復帰を果たすと、2013年にはセットアッパーとして活躍し、ワールドシリーズ優勝に貢献した。

 2017年にマーリンズ移籍後はタイガース、エンゼルス、カブス、レッズと渡り歩き、渡米12年目だった2020年途中に帰国。7月からルートインBCリーグの埼玉武蔵ヒートベアーズに入団し、“日本球界復帰”を果たした。

 2021年には台湾プロ野球の味全ドラゴンズでプレーし、リーグ2位かつ球団新記録となる30セーブを挙げた。今年は5月にメキシカンリーグのドゥランゴ・ヘネラルズと契約し、13試合に登板したが戦力外となり、帰国後は所属先を探しながらトレーニングに励んでいた。

 ENEOSは今年、横浜市代表として出場した都市対抗野球で9年ぶり12度目の優勝を飾り、10月末から始まる社会人野球日本選手権への出場が決定。田澤が恩師として慕う大久保監督は一時、慶應大学で指揮を執ったが2019年から復帰し、強豪復活に尽力する。田澤は出場選手登録期間末日となる8月31日までに登録を済ませており、2012年以来3度目の優勝を狙う社会人野球日本選手権に貴重な戦力として出場可能だ。

 田澤はENEOS復帰について「在籍期間中は野球の技術だけでなく、社会人としての立ち振る舞い等、多くのことを学ばせていただきました。また、メジャーへの挑戦の際、温かく送り出していただき、誠に感謝しております。ENEOS野球部に復帰したからには、まずは目下10月30日に開幕する日本選手権大会でのダイヤモンド旗奪還を目指し、全力でチームに貢献したいと思いますので、ご声援の程、宜しくお願いいたします」とコメントを寄せた。

 22歳でENEOSを巣立ってから14年。栄光も挫折も味わった36歳右腕が、再び上がる社会人野球のマウンドでどんな投球を見せるのか、期待したい。

(Full-Count編集部)

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