エ軍マドン前監督が“変わる球界”に持論 フロント主導の潮流に「押し付けだ」

6月までエンゼルスの監督を務めたジョー・マドン氏【写真:ロイター】
6月までエンゼルスの監督を務めたジョー・マドン氏【写真:ロイター】

マドン氏は6月にエ軍監督を解任された

 6月にエンゼルスの監督を解任されたジョー・マドン氏が米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」のポッドキャスト番組「ジ・アスレチック・ベースボール・ショー」に出演。球団フロントやスタッフが現場に“口出し”してくることに苦言を呈した。メジャー通算1382勝をあげている68歳名将は分析や情報は「必要としている」とする一方で、フロントの意向が強くなる現状を「押し付けだ」と批判している。

「情報は求めていた」と語るマドン氏。気に入らなかったのは「その実施のされ方だ」と振り返る。球団フロントやスタッフも参加して行われるミーティングは「長い」とし、「選手はそれらの情報全てを必要とはしていない。貴重な情報は必要としているが、学術論文は必要としていない」と説明。「時計の組み立て方を教えようとしてくる。いま何時か知りたいだけなのに」と述べている。

 情報は「良いものだ」とした上で、不満に感じたのは「押し付けだ」と明言。「分析を担当する人間がコーチの部屋に入ることをGMが許すようになった。そんなことはあるべきじゃない。押し付けだ」と批判した。分析担当者は必要だが「ダグアウトやクラブハウスにはいてほしくない。コーチに伝え、コーチが選手に教えるようにしてほしい。ダグアウトやクラブハウスにプレゼンターは必要ない。彼らの影響力や権威がコーチをしのぐところまで来ている。それは間違っていると思う」と断じた。

 さらに「彼らは試合前に上から降りてきて、必ずしも役に立つわけではないことを詰め込んでいく」とも。選手も数字やデータにこだわってしまっているとし「完全にそれに頼り切ってしまうのは、このゲームのエッセンスをプレーする能力や修正する能力、やっていることを感じる能力を取り去ってしまうものだと思う」とも述べている。

 ちなみに、マドン氏の後を継いでエンゼルスの監督代行を務めるフィル・ネビン氏は「ジョー(・マドン氏)がフロントとの関係について語ったが、あなたはどうか。情報はきちんともらっているか」とのメディアからの問いに次のように答えた。「(フロントからの情報の流れは)良い。誰もがそれぞれの意見を言う権利がある。私の場合は非常に良い。情報をしっかりもらっている。オーダーも組めているし、試合の監督もできている。自分の仕事を妨害されたと感じたことはない」。マドン氏が唱えている現状に不満はないようだ。

(Full-Count編集部)

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