「頭が痛いですよ。試練ですな」 首位に0ゲーム差、西武辻監督が抱える一抹の不安

西武・辻発彦監督【写真:荒川祐史】
西武・辻発彦監督【写真:荒川祐史】

ドラ1隅田が4回4失点KO…痛恨の球団ワーストタイ9連敗

■ロッテ ー 西武(7日・ベルーナドーム)

 首位のソフトバンクをわずか勝率1厘差で追う2位・西武は7日、本拠地ベルーナドームでロッテに1-7の大敗を喫した。先発のドラフト1位ルーキー左腕・隅田知一郎投手が2本塁打を浴び4回4失点KO。今季9敗目(1勝)を喫し、球団ワーストタイ記録の9連敗となった。この日はソフトバンクも楽天に敗れたため、ゲーム差は変わらなかったが、残り16試合の先発投手のやり繰りに一抹の不安を残した。

 大きな期待とともに送り出した隅田がいきなり初回、4番・山口に先制3ランを被弾。安打と四球で1死一、二塁とされ、初球のカットボールが真ん中内寄りに入ったところを左翼ポール際へ運ばれた。「初球から何でも振ってくるバッターに対して、投げるところではなかったね。ちょっと用心が足りなかった」と辻発彦監督。3回、簡単に2死を取りながら、井上にカウント3-2から真ん中のチェンジアップを左翼席へ5号ソロとされたのも痛恨だった。

「チームにとっても僕にとっても、本当に大事な試合でした。結果を出すことができず悔しいですし、歯がゆい思いです」と隅田。1年目の今季から2桁勝利を期待されていた左腕で、この日も最速148キロのストレートには球威があり変化球も多彩だが、いかんせん詰めの甘さは否めない。2桁敗戦にリーチをかける結果となってしまった。

 それでも辻監督は「本人も1年目で本当に悩んでいると思う。これを来年からに生かさないと」と話し、「いないもの、ピッチャー」と次週も隅田を先発で起用する意向を示した。さらに8日のオリックス戦には、いったん中継ぎに配転されていた平井克典投手が2週間ぶりに先発する。本来は今井達也投手に任せたいところだが、延長10回にもつれ込んだ8月26日・オリックス戦で9回144球2失点と力投した後、「疲労が抜けきれていない」(辻監督)として出場選手登録抹消。いまだに「(先発できる状態に)ないです」と指揮官は言う。今井が登板できないとなれば、隅田と平井は次週も先発を務める可能性が高い。思わず「頭が痛いですよ。試練ですな」と口にした。

 西武の先発陣は現状、既に10勝を挙げている高橋光成投手とディートリック・エンス投手を筆頭に、與座海人投手、松本航投手が安定。しかしここに来て最後の1、2枚が足りない。稀に見る大混戦の優勝争いの中、不規則な日程となる最終盤に、首脳陣はどうスターターを割り振るか。隅田、平井が救世主的な快投を演じてくれれば、願ったりかなったりだが……。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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