DeNA、阪神ドラ1右腕の攻略法 “初物”を打ち崩した要因「がっついたら思うツボ」

DeNA・三浦大輔監督【写真:荒川祐史】
DeNA・三浦大輔監督【写真:荒川祐史】

横浜スタジアムでの阪神戦8連勝は1998年以来24年ぶりの快挙

■DeNA 7ー0 阪神(10日・横浜)

 DeNAは10日、横浜スタジアムで行われた阪神戦に7-0で勝利。3位の阪神とのゲーム差を5に広げた。同球場では1998年以来、実に24年ぶりの阪神戦8連勝。この日はドラフト1位・森木を3回途中5失点でマウンドから引きずり降ろして一方的なゲーム展開に持ち込んだ。金の卵を攻略できた要因とは――。

 三浦大輔監督は「昨日の流れじゃないですけど、初回のチャンスのあそこで先に点を取れたのが大きいですね」と満足げに振り返った。先頭の桑原将志外野手が中前打で出塁。関根の一ゴロで走者は入れ替わり、2死二塁から4番の牧秀悟内野手の左前適時打で関根が先制のホームを踏んだ。前日9日は初回に2点を奪われるも5回に一挙7得点で逆転するなど11安打9得点の快勝。制球が定まらなかった相手に対し、初回からイケイケムードを持続させた。

 相手先発は新人右腕。初対戦で当然データも少ない。それでも「消極的にならないように。初見ですけど受け身にならないようにいうのはね。昨日の勢いで攻めていこうと」と指揮官は明かす。球筋を見たことがなくても、積極的に打ちに行く。その姿勢はチームに浸透していた。

 1-0の3回には無死一、二塁も3番の佐野恵太内野手と4番の牧が倒れて2死二、三塁。無得点なら流れが相手に行きそうな場面だった。宮崎は2ボールとなったところで申告敬遠。満塁から6番の楠本泰史外野手が148キロの直球を右翼線にはじき返して貴重な2点を加えた。

 実はこの打席、楠本は初球のスプリットに対して豪快に空振り。しかしここから冷静だった。ボールを2球見極め、4球目の直球を一閃。三浦監督も「(初球の後)ムキになってがっついたら思うツボ。空振りしたあとに冷静になれたのが大きかった。ベンチから背中を見て気合が入っているのが分かりました」と目を細める。空振りしても冷静に、かつ積極的にいった結果が森木を降板に追いやった。

 歴史的な連勝も、指揮官は「その試合をどう勝つか、その積み重ねがいい形になっている」と気にせぬ素振り。それでもクライマックス・シリーズでホームで阪神を迎える可能性は大いにある。阪神との今季本拠地最終戦は、今後を見据えても最高の締めくくりとなった。

(町田利衣 / Rie Machida)

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