DeNAは村上をいかにして2戦無安打に抑えたのか 前回対戦の教訓生かし「うまく攻めた」

ヤクルト戦に先発したDeNA・今永昇太【写真:宮脇広久】
ヤクルト戦に先発したDeNA・今永昇太【写真:宮脇広久】

今永は3回に3ボールから申告敬遠「誰もが納得する打たれ方をしないと」

 エスコバーの1球はすっぽ抜けたが、村上封じの鍵は内角球だったのではないか。12日に先発した左腕・今永昇太投手は初回、山田に先制ソロを被弾した直後に村上を迎え、カウント1-2と追い込んでから、外角の149キロ速球で遊ゴロに仕留めた。2球目に内角高めへボール球の147キロ速球を見せておいたことが効いていた。

 前日の11日には右腕・大貫晋一投手が、初回2死二塁のピンチで村上を迎え、外角にツーシーム、ストレートを集めてカウントを2-2と整えた後、一転内角へ食い込むスライダーで見逃し三振に仕留めていた。

 一方で、無理な勝負は避けた。今永は1点ビハインドの3回、2死三塁で村上を迎えると、内外角の際どいコースを突きつつカウントを3-0とすると申告敬遠で歩かせ、続くオスナを遊ゴロに仕留め無失点で切り抜けた。今永は「打たれるにしても、他の人が見て納得する打たれ方をしないといけない。あそこで勝負して打たれたら、誰も納得しないですから」と語る。このあたりは8月26日、2点ビハインドの7回に、リリーフの三上朋也投手が2死走者なしの場面で村上に勝負を挑み、カウント2-0からストレートが真ん中に入ったところを右翼席へ運ばれ、試合を決定づけられた教訓を生かした──といえるかもしれない。

「打たれて対策を立ててやり返し、また打たれたり。この世界はその繰り返し」と三浦監督は言う。首位を走るヤクルトには6.5ゲーム差をつけられ、優勝マジック11の点灯を許しているが、指揮官は「小さいけれど光は見えている。可能性がある以上、その光を大きくしていけるようにやっていきます」と諦めない。今季ヤクルトとの直接対決はあと4試合残しており、その後クライマックス・シリーズで対戦する可能性もある。次なる“村上封じ”に心血を注ぐ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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