大谷翔平の“片手打ち”、なぜ規格外の飛距離? 専門家が語る「右投げ左打ちの習性」

右投げ左打ちの習性「利き腕の右手が伸びるためコンタクトがしやすい」

 ではなぜ、右投げ左打ちは“片手打ち”が得意なのか。新井氏は「ワンバウンドをヒットしたりするイチローもそうでしたが、右投げ左打ちは右手でコンタクトする習性があるので、外角寄りの球や抜いた変化球に右腕を伸ばして捉えに行く事がよくある」と説明する。

 ホークスの打撃コーチ時代に出会った、左投げ左打ちの強打者として名を馳せた松中氏は「内角の難しい投球に、左手で打つために右肘を抜く打ち方をしていた。左投げ左打ちの選手は左手を離す事はほぼなく、右手一本の打撃を見る事はほとんど無い」と、利き腕の違いで打撃スタイルは異なるという。

 ただ、大谷は右手の使い方以外にもう一つの武器を持っている。「投手として160キロを投げられる強烈なパワーを持っているので、規格外の飛距離も生まれる。彼にしかできない芸当です。一方でデメリットは左投手の外角を引っ掛けての二ゴロ、三振もある。片手打ちは凡打もあれば長打もあるということです」。

 まさに“力と技”を兼ね備えた大谷だからこそ生まれた一発。2年連続リーグMVPを争う二刀流は、どれだけファンを驚愕させるアーチを描いていくのか、注目だ。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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