日本一の20分後に戦力外「マジか」 ロッテの“苦労人”茶谷健太、育成からの再起

ロッテ・茶谷健太【写真:球団提供】
ロッテ・茶谷健太【写真:球団提供】

背番号124で再スタート、今岡2軍監督には感謝

 獲得に名乗りを上げたロッテと育成契約を結び、背番号124を着けて再起を図った。2019年は今岡誠2軍監督(当時)の下、2軍で開幕スタメン起用されるなど、チーム2位の118試合に出場した。

「他球団から来て、育成で入った選手を開幕から使ってもらったのは感謝しかないです」

 ある時、今岡監督が自分に言及している記事を見かけた。「茶谷はやる気がないように見えるけど、本当はちゃんとやっている」。もちろん、手を抜いていた訳ではないが、どうしても、雰囲気がネガティブに受け取られることがあった。過去に指導者から「やる気がないのか」と言われたこともあった中で、内面を見てくれていたのが嬉しかった。

「(練習時は)いつも遠くから見ている感じですけど、しっかり見てくださっているんだなと。恩返ししたい気持ちは強いです」。直接コミュニケーションを交わすことは少なかったが、自分を理解し、周りと平等に評価してくれたことに感謝の気持ちを抱く。

 2軍で打率.271、6本塁打48打点を記録し、そのオフに支配下登録となった。昨季は怪我もあって1軍出場がなかったものの、今季は2軍で打率.316を記録し、6月に1軍昇格を果たした。8月12日の日本ハム戦(ZOZOマリン)では、7年目で初本塁打も放った。8月下旬にはヒットの出ない試合が続いたが、これも経験。「こういう時をいかに短くできるかだと思っています」。守備力は誰もが認めるところ。打撃で結果を残すため必死にバットを振り続ける。

○茶谷健太(ちゃたに・けんた)1998年1月26日、神奈川県茅ヶ崎市生まれ。帝京第三高から2015年ドラフト4位でソフトバンクに入団。2017年にはプロ初安打を記録。2018年は1軍出場がなく、シーズン終了後に戦力外に。2019年はロッテと育成契約を結び、同年オフに支配下登録された。今季は8月12日の日本ハム戦(ZOZOマリン)でプロ初本塁打を放つなど、1軍でアピールを続ける。身長186センチ、体重90キロ。右投げ右打ち。

(上野明洸 / Akihiro Ueno)

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