日本と韓国に見えた打力の差 甲子園でも剛腕不在…足りなかった“速球対応”

速球派が少ない世代…甲子園でも150キロ超えはゼロ

 土のマウンドや内野の天然芝、長期の海外生活に薄暮での試合――。慣れない環境に対応できなかった部分はあるが、それ以上に速球に苦しんだ印象を受けた。13日(同14日)のチャイニーズ・タイペイ戦でも、153キロ右腕のリン・ションエンに日本打線は、5回3安打1失点と抑え込まれていた。

 この大会では、打球の飛ばない木製バットを使っている影響もあるだろうが、世代として速球に慣れていないのも原因の一つなのではないか。昨年は、現ソフトバンクの風間球打投手(明桜)や現阪神・森木大智投手(高知)ら150キロを超す選手がそろっていた。しかし、今夏の甲子園での最速は、山田と生盛亜勇太投手(興南)らが記録した148キロ。直球に苦しんだ日本打線に対し、韓国打線は低めのツーシームやカットボールには手を出さず、甘く入った直球を振り切っていた。この大会では2017年、2019年に続き、韓国戦は実に3連敗だ。

 一方で希望もあった。3番手で4回から登板した生盛が2回を1安打無失点。自己最速の150キロを3度計測し、3つの三振を奪った。さらには、初回に失点につながるミスをした渡部海捕手(智弁和歌山)もその裏、詰まりながらも右前へ運び、3戦連続安打。馬淵監督も「打撃は振れている」と認める。

 宿敵・韓国に敗れ、スーパーラウンドを1勝2敗とした。自力での決勝進出の可能性は消滅したが、韓国と米国の成績しだいでは、逆転進出の可能性も残されている。17日(同18日)に対戦する米国には、100マイル(約161キロ)を計時した左腕のアダム・ハックマン投手ら、速球派が揃っている。厳しい戦いが予想されるが食らいついていきたい。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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